2009年 7月 16日 (木)

       

■ 〈保阪嘉内の短歌〉39 望月善次 七月の象眼細工の

 七月の象眼細工の大空は、われらのうえにかヾやきてあり、
 
  〔現代語訳〕七月の象眼細工の大空は、私たちの上に輝いて存在しています。

  〔評釈〕「大空がまったく晴れておそろしや」三十二首〔『アザリア』第二輯(盛岡高等農林学校アザリア会、大正六年七月十八日)〕の十二首目。短歌作品を文言に沿って追うと、そのまま「現代語訳」が出来上がってしまうような達意の一首。一首の見立ての核は、何と言っても、空を「象眼細工」に見立てたところ。「象眼細工」は「象嵌細工」とも書くが、意味の上からは、「象嵌細工」の方が説明をしやすい。〈象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味がある。〉という『(フリー百科事典)ウィキペディア(Wikipedia)』の冒頭をそのまま使えることになる。〈象嵌本来の意味は、一つの素材に異質の素材を嵌め込むと言う意味で金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌等がある。〉という『ウィキペディア(Wikipedia)』のそれに続く説明を加えればおおよその説明にはなろう。核のところが済んだのだから後は気楽なものである。「われらのうえにかヾやきてあり」と悠々と付けるのであるが、「少し詰めが甘いよ。」の意見もまた出よう。
(盛岡大学長)

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