2009年 7月 18日 (土)

       

■ 〈保阪嘉内の短歌〉40 望月善次 今見たるこの青き眼は

 今見たるこの青き眼は大空のおそらし
  き眼ににらめかえさる
 
  〔現代語訳〕今(私がにらむようにして)見た、この青き眼は(一体何でしょう。)大空の恐ろしいまでの眼ににらみ返されたのです。

  〔評釈〕「大空がまったく晴れておそろしや」三十二首〔『アザリア』第二輯(盛岡高等農林学校アザリア会、大正六年七月十八日)〕の十三首目。一応、第二句の「この青き眼は」のところで句切れとなると読んだ。また、第四句の「おそらしき」は「おそろしき」であり、結句の「にらめかえさる」は「にらみかえさる」だとした。(ちなみに、「にらめる」は、下二段活用の他動詞)ところで、大空に「青き眼」(のようなもの)を実際に見たのか、晴れ渡った大空全体を「青き眼」としたのか、それとも前に置いた作品の「象眼細工」の「象眼」に引っ張られて「眼」が登場したのかには微妙な部分も残ろう。(評者としては、第二の「大空全体を『青き眼』とした」に近い)いずれにしても「にらめ(ママ)かえさる」のであるから、話者としても「にらむようにして見た」ことになる。「おそら(ママ)しき」と言ってはいるが、一方では、心底からは怖がっていずに、楽しんでいる話者もいる。
  (盛岡大学長)


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