2009年 7月 28日 (火)

       

■ 山沿いの温泉旅館が古書店に 「販路はネット」と立地決断

     
  元の旅館を改装したイーハトーブ本の森  
 
元の旅館を改装したイーハトーブ本の森
 
  矢巾町煙山2の1の矢巾温泉に、古書店の「イーハトーブ本の森」が8月上旬の開店に向けて準備を進めている。盛岡市の上の橋書房を経営していた高橋征穂さんが、新しい業態の古書店を目指して温泉場の立地を選んだ。店舗は元の旅館を1軒まるごと改装し、蔵書数は10万冊の予定。古書を探したあとは矢巾温泉に浸かり、ゆったりできる「本の森」を目指す。一方でインターネットに販路を求め、全国的な注文に応じる。店長の高橋さんは「自分を変えるような、本との偶然の出会いを大切にしたい」と話し、本の整理に余念がない。

  高橋さんは盛岡市上ノ橋町の上の橋書房を経営し、同市みたけや北上市でも店舗を開いてきたが、古書店の業態の変化を痛感してきた。「今まで店売りがほとんどだったが、だんだん客が少なくなった。今はインターネットで古書を買う時代。インターネットが販路なら、立地にこだわらないで済む」と話し、これまで町中に開いていた店を、あえて温泉場に持ってきた。

     
  開店に向けて本を整理する高橋店長  
 
開店に向けて本を整理する高橋店長
 
  インターネット専門のスタッフを置き、全国を相手に受注する一方、店舗の方はこれまでで最大の規模。木造2階建ての元の旅館をくまなく売り場にし、風呂場に至るまで本を詰め込んでいる。屋外には20年前購入した貨車の車両を置き、銀河鉄道のイメージを出す。古書のほか絵画や骨董などを扱い、文化的な集まりを持つスペースも検討している。

  高橋さんは「各部屋をジャンル別にレイアウトした。分類には時間がかかるが、宮沢賢治や石川啄木、郷土関係のコーナーには力を入れたい」と話し、同じタイトルの本を複数冊並べるなどして充実している。「インターネットの時代になっても古典が滅びることはないと思う。本は決してなくならない。目的の本の隣に偶然面白い本を見つけ、それが自分の運命を変えるほど大事な本だったりする。それが古本屋の面白さ」と話し、店頭の来客は変わらず大切にする。ツーワンライフ発行の自分史コーナーも設ける。

  「いつ開店するのか矢巾温泉に問い合わせがあるようだし、温泉との相乗効果でお客さんがたくさん来ればいい。古書を掘り出したあとは温泉でゆっくり」と話し、地域的に集客が増えるよう期待している。開店記念に全品1割引きする予定。問い合わせは同店(電話019|698|2125)

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