2009年 7月 30日 (木)

       

■ 〈風のささやき〉6 重石晃子 魅力的な顔

     
   
     
  つけっぱなしにしていたテレビをふと見ると、世界一有名なポップのスーパースター・マイケルジャクソン氏が亡くなったとのニュースが報じられている。驚いて注意をして良く見ると、彼の追悼番組に子供時代のかわいらしいマイケルジャクソンの、パワーあふれる歌声が放映されていた。最近の薄いツンとした鼻の顔とは、まるで違う少年時代の顔であった。

  マイケルジャクソンと言えば、ムーンウオークで有名だし、躍動感を前面に出した歌とパフオーマンスは世界中の若者の心をとらえたといえるかもしれない。しかし良いことばかりではなく、美容整形の疑惑も持たれている。

  お金がたくさん入ってくれば、どんな顔にも変えることができたのだろう。でもこの少年時代のかわいらしい顔とは比較にならないと私は思った。

  50年も絵を描いてきた私の身になって考えると、1_の線の違いは顔の表情を大きく変えてしまうのだ。目の位置、鼻の位置のありさまでその人の性格は変わったものになる。

  同じモデルを数人で描いてみると、その人その人でまるで違う顔だが、同じモデルであることは見て取れる。描く人によって顔の解釈が違う。訂正のきく絵画でさえもこれほどに違うことを考えれば、美容整形はする方もされる方も、相当な覚悟があってのことであろうと思う。

  最近は目のぱっちりと大きいヨーロッパ系の顔が好まれるけれど、時代によっては切れ長の一重まぶたが美女の典型とされたことがある。

  かつてヨーロッパに旅して、ブロンド娘や青い瞳の青年ばかりを見ていたが、途中台湾に寄り、久しぶりにオリエンタル系の人に会い、きりりと締まった顔の何と美しいことかと思った経験がある。

  人の顔は、よほどの奇形は別として、心の持ち方次第で好い顔にも困った顔にもなるだろう。顔に付けた傷跡は自然に見えるまでには数年から数十年は必要だと私は思っている。親から受け継いだ自然の顔かたちは、必ずバランスの取れた形なのだし「変えるのは心だけ」で十分ではないだろうか。
(画家)

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