2009年 9月 3日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉273 岩橋淳 チコときんいろのつばさ

     
   
     
  「あおくんときいろちゃん」「スイミー」で知られる作者。デザイナー出身だけあって、卓越した色遣いと造形感覚で、数々の作品を生みだしてきましたが、ストーリーテラーとしても高い評価を受けています。

  チコは、ほかの小鳥と同じようにさえずったり飛び跳ねたりはできますが、唯一、翼だけがありませんでした。でも、周囲の仲間たちの助けによって、暮らすことができています。

  感謝の気持ちはもちろんですが、チコの鳥としての願いは尽きません。いつか翼を背に、空を飛んでみたい。…そして、その願いは、思いがけず天に聞き届けられることになります。授かったのは、金色に輝く翼。喜びあふれるチコは、大空を飛び回ります。しかし、それと引き換えに、それまでの仲間は遠ざかって…。

  仲間の恩を決して忘れたわけではないのに、試練を与えてまで天がチコに望んだこと、その使命とは?

  かの名作童話、「幸福な王子」(オスカー・ワイルド作)を思わせる展開が、この後待っています。生まれつき黄金に輝いていた王子と、苦労育ちのチコ。主人公の基本設定の違いが、どう影響するのか。抑制の利いた美しい画調とともに、お楽しみください。

 【今週の絵本】『チコときんいろのつばさ』L・レオーニ/作、さくまゆみこ/訳、あすなろ書房/刊、1365円(税込み)(1964年)



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