2009年 9月 8日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉78 及川彩子 おしゃれなジェラート

     
   
     
  色とりどりに盛り合わせたコーンカップのジェラート(アイスクリーム)を食べながら街を歩くイタリア人。これも夏の楽しみの一つですが、観光都市ミラノでは、今年からジェラートの食べ歩きが禁止になりました。

  東欧やアフリカ諸国からの移民が増え、彼らの路上食べ歩きが「街を汚す」と、市民の声が高まったためで、ジェラートの例外も認められなかったのです。

  コーンカップひと盛り1ユーロのジェラートは、北イタリアではアルプスの濃厚なミルク味、南では地中海特産の柑橘系果物や、シチリア産の赤オレンジなど、地方によって色も味も様々です。

  ここアジアゴでは、木苺(いちご)やラズベリーなどをミックスした「森の味」が自慢。それに杏(あんず)の種の核に、香料やお酒を加えたほろ苦い「アマレット」などがあります。その代表がサクランボのジェラート。バニラの白に絡んだ深紅のシロップが、とても鮮やかです。

  古代ローマ人に発見されたと言われるサクランボ。ギリシャ遠征(現トルコ領)の際、黒海地方特産の赤い木の実に魅了され、樹を根こそぎ持ち帰りました。それがヨーロッパに広まったと伝えられています。

  イタリア人には、桜の花をめでる習慣はありませんが、今は各地で栽培され、ジャムや菓子、果実酒などに加工されています。

  この夏も、アジアゴのジェラート店の店先には、色とりどりの何種類ものジェラートが並びにぎわいました〔写真〕。金魚鉢のようなグラスに、幾つもサクランボのジェラートの玉を重ね、店のテラスで味わうのが醍醐味(だいごみ)です。

  ちょっとぜいたくな夏のデザートはカフェ・アフォガート。「コーヒーに溺(おぼ)れる」の意味で、バニラ味のジェラートに、熱々のエスプレッソコーヒーをかけただけのシンプルなものですが、白と黒・甘みと苦味、冷たさと熱さの絶妙な味も、粋なイタリア人には欠かせない一品です。

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