2009年 9月 12日 (土)

       

■ 藤沢狄森古墳の出土品を県文化財に指定 膨大な玉類や刀剣

     
  出土した玉類  
 
出土した玉類
 
  県文化財保護審議会(工藤雅樹会長)は11日、矢巾町の所有する藤沢狄森(えぞもり)古墳群出土品を県有形文化財に指定するよう答申した。一部が県指定史跡になっている同古墳群からこれまでに出土した遺物のうち古墳群と関連する年代の出土品1390点を選び1件としてまとめて指定する。

 出土品は土器、土製紡錘車、刀、刀子、馬具、鉄鏃、青銅製鋺、石製玉などで、特にガラス製玉は1148点に上る。

  同古墳群は矢巾町藤沢地内に所在。ちょうど国史跡徳丹城跡の北に位置し、東西約400b、南北約300bの範囲にこれまで82基の古墳が検出され、県内有数の大古墳群となっている。このうち1957年に墳丘が残存する1基が県史跡に指定されている。

  古墳は古墳時代(7世紀後半)のもので、江戸時代から知られている。県内に所在する終末段階の古墳群が西根古墳(金ヶ崎町)などからの出土品から8世紀段階と位置付けられていた。ところが、藤沢狄森古墳群の出土した土器から7世紀後半段階のものと初めて明らかにされ、出土品は東北北半の終末段階の古墳の時期変遷を考える上で欠くことのできない、価値の高い資料とされている。

  出土品の特徴として、県内に類例のない膨大な玉類、農耕具などが少なく刀剣や鉄鏃に偏っていることなど、ほかとは異質なあり方を示している。出土品は古墳群を東西に分ける国道4号の東側から集中的に見つかった。同地は低位段丘面のへりに当たる。

  古墳の学術的な発掘調査は69年以降、たびたび行われ、特に84年と85年の調査で見つかった資料が今回の主な指定対象となる。土器には7世紀後半に位置付けられるものが見つかっており、石製品の主体をなす玉類の石材は、めのうが75%余りを占め、ひすいが続く。

  ガラス製品は10_以上から2・5_程度のもので、色調は鉛ガラスの特徴である濃紺から淡青色が圧倒的な中、大型で色調の異なるガラスを組み合わせたトンボ玉状の資料もある。

  同古墳の発掘は近年、宅地化に伴う緊急調査が主体だったが、宅地造成が鈍化していることもあり、今回、これまでの発掘調査の成果について、文化財指定を諮問した。県教委では今後の発掘調査で資料がある程度まとまった場合、追加する考えだ。

  今回の1件が指定されると、県指定文化財は348件となり、このうち有形は223件目になる。

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