2009年 9月 23日 (水)

       

■ 文化こそが都市つくる アートスクエアいわてシンポ

     
  アートスクエアinいわてシンポジウム  
 
アートスクエアinいわてシンポジウム
 
  アートスクエアinいわてシンポジウム(文化庁、同実行委員会主催)が20日、盛岡市中ノ橋通のプラザおでってで開かれた。同事業は文化庁の「地域文化芸術振興プラン」として実施。ギャラリーや展示スペースが多い紺屋町から肴町にかけての旧奥州街道かいわいなど市内中心部を「アートスクエア」と設定し、さまざまなアートイベントを開催中。今回は美術家の小笠原卓雄さんをコーディネーターに、4人のパネリストが「地域、人、風土〜アートを紡ぐもの、アートが紡ぎ出すもの」というテーマで話し合った。

 パネリストを務めたのは中村光紀さん(プラザおでって館長)、渡辺敏男さん(盛岡まち並み塾事務局)、斎藤純さん(作家、石神の丘美術館芸術監督)、吉野英岐さん(県立大教授)。

  建築士の渡辺さんが盛岡で仕事を始めた1980年代は、高校や博物館などが郊外へ移り終わった後だったという。吉野さんがタウン誌に寄せた「文化芸術が都市の魅力に寄与している」という論を引きながら「郊外は土地が広いから駐車場があるし、都市とのつながりも持てるというが、実は吉野さんの言う通り、文化が都市をつくり、地域の中の核となっている」という。

  渡辺さんは現在、鉈屋町で古い町屋を再生し、活用する取り組みを進めているが「街並みとしてやりたいのではっきりしたテーマ性を持った使い方ができれば」という。その重要な要素として、アーティストが居住しながらものづくりをする「アーティスト・イン・レジデンス」という方向性を示した。

  斎藤さんは「レジデンスに近いものとして、岩手町では石彫シンポジウムを長年行ってきた。今後は石彫にこだわらずに何かをしていければ」という。盛岡市内の中心街で育った立場から「演劇を見に行くと、盛岡の主立った人たちが顔をそろえている。美術もいろいろなジャンルの人が顔を出す場になってほしい」と話した。

  吉野さんは 銀座の画廊で行われている「週末ギャラリー散歩」を紹介。バブル期に投機的に絵画を購入していた客が激減した今、とにかく画廊に客を呼び込もうという取り組み。「盛岡でも市内で十分に楽しいことをやっていけるのでは」と提案した。それを受けて「いいことだと思う。青春館では年間5〜6本の企画展を行っているので、ギャラリー散歩の対象になり得る」と中村さん。「文化とはそこに住む人の美しく生活したいという生き方の集積。盛岡には藩政時代から培われた伝統的な文化の薫りがある。文化をはぐくんできた盛岡の中心地で今後も、アートをいろいろな形で発表する場を提供できれば」と話した。


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