2009年 9月 24日 (木)

       

■ 〈北Gのライブトーク〉106 北島貞紀 男の時間

 僕のラジオ番組のディレクター、S君は松園に住んでいる。彼は、仕事が終わると家まで歩いて帰る。仕事場が内丸にあるので、1・5時間の距離である。天候の良いときのウオーキングは気持ちが良いが、風も吹けば、雨も降る。ましてや仕事柄、帰宅時間が遅くなることも多い。健康のためと本人は言うが、頭が下がる。

  一度、深夜12時近くに家に向かって歩いていたら、ポリスマンに呼び止められて、職質にあったという。確かに、あの風貌で(がっちりとした体格で、頭はスキンヘッドにしている)夜な夜な、一心不乱に歩く姿を想像すると、鬼気迫るものがある。

  冗談はさておき、この日課、健康以外にもとてもよい効能を含んでいる。「男の時間」と勝手に命名しているが、仕事や友人や家族から離れて一人になる時間が、一人前の大人には絶対必要である。その時に、かかえている仕事やトラブルを冷静に見つめたり、来し方行く末を考えたり、人生の意義を考えたりと、いわゆる哲学をするのである。

  ミュージシャンの細野晴臣氏(大滝詠一氏だったかも?)が「若いときから家族と離れて暮らしている」というのを何かで読んだことがある。その理由は言明しなかったが、創作の環境として一人でいる方が良いからだろうと僕は思っている。

  「男の時間」の取り方は、いろいろある。大別すると、散歩、瞑想(めいそう)といった日常的なものと一人旅のような非日常なものである。

  何故(なにゆえ)「男の時間」なのかって?男はチャンネルを切り替えるのが下手なのだ。だから、そのモードに入るのに時間がかかる。「今から哲学するぞー」という宣言が、散歩であり、一人旅なのである。

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