2009年 11月 10日 (火)

       

■ 岩山漆芸美術館、11月閉館を確認 盛岡市と全館長が協議

     
  報道陣の取材に応じる全龍福館長  
 
報道陣の取材に応じる全龍福館長
 
  閉館の明らかになった岩山漆芸美術館(盛岡市加賀野)について、建物を所有する同市の担当者が9日同館を訪れ、全龍福館長と話し合いをした。その結果、今月末での閉館を双方が確認した。全館長は取材に「来年4月1日には、いい方法があれば再開したい」などと答えた。しかし、全館長が代表の同館運営会社が間もなく解散し、市も直営での同館存続に否定的な見解を示している。今後、運営の新たな受け皿が出なければ再開の見込みはない。

  美術館を所管する盛岡市ブランド推進課の坂田裕一課長、所有する同館建物の賃貸借契約を所管する管財課の齊藤俊一課長らが同館を訪問。全館長と約30分話し合った。

  坂田課長は話し合いのあと取材に対し「新聞報道と全く違う話だった。閉館するのではなく、冬期間(12月から3月)の休館。先月末に館長から電話を受けたときは(運営が)厳しく閉館せざるを得ないとは聞いた。単独での継続は厳しいが(館長側に)続けたい気持ちはある」と説明した。

  今夏に賃貸借の契約をした時点で冬期休館をすることについては「入館者の状況も見てみたいということで、当初からする、しないが決まった話ではなかった」(齊藤課長)という。

  全館長は取材に「厳しいが全く希望がないわけではない。わたしはやめる(閉館のこと)とは一言も言っていない。(継続の)方法を探していくということ」と弁明。今後については「わたし一人では厳しい。できれば市と力を合わせて」「公立で継続するなら協力する」などと話した。

  市や全館長によると、市に施設の使用料を支払い、同館運営の受け皿となるオリエンタルトレジャー社は全館長が代表で法人登記している会社。今年8月の再開には名誉館長に就任した韓国のトップ俳優ペ・ヨンジュン氏の事務所キー・イーストが会社を設立し出資するはずだった。

  実際には事務所は会社を設立せず、先月末には出資の中止を全館長に伝えた。結果として出資を受けられず同館の運営は行き詰まった。「会社は9月ごろから休業中で解散する」(全館長)という。

  全館長によると、8月から市に支払うべき使用料は現在まで未払いになっている。7月に市と交わした契約は2019年(平成31年)3月31日までの期間になっている。市は直営の美術館経営に否定的で、全館長の説明でも新たな受け皿として具体的な話はない。話し合いではNPO法人や施設を無償貸
与されていた7月以前の任意団体による運営の可能性も出たが、具体的な内容はなかったようだ。

  国のふるさと雇用再生特別基金事業480万円で採用予定の従業員2人は公募に対して希望者がなかったという。市からは既に320万円の前払い金が渡っており、美術館側は返還する必要がある。7月の臨時議会で議決したトイレ改修工事費900万円(国の経済危機対策臨時交付金)は現時点で執行されていない。

  坂田課長らは話し合いの内容を市幹部に報告。市は10日に市議会に閉館への見解の説明、報告をする予定。


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