2009年 11月 13日 (金)

       

■ 〈お父さん絵本です〉283 岩橋淳 干し柿

     
   
     
  秋の味覚、カキ。今は盛りを過ぎましたが、散歩の道すがら、家々の庭先にたわわに実る光景を見かけることもあって、身近な果物…、のはずですが、リンゴ、ミカン、バナナなどと較べて、どうも一歩譲ってしまうような印象があります。

  しかし、夕暮れの似合うこのアジア固有の植物(学名"kaki"!)の持つ風情、おおいにヒイキしたいところ。生でも上品な甘味ですが、さらにこれを干して食するとき、数倍の滋味が口中に拡がります。

  さて今週は、干し柿づくりの行程を写真でつづったもの。動物や風物の写真を撮り続けるベテランカメラマンが、柿の実の生育や人々とのかかわり、そして子供たちの干し柿作りにとことん付き合った記録です。

  古くは織田信長が宣教師ルイス・フロイスに贈った…、などとウンチクを垂れる前に、わたくし恥ずかしながら干し柿、皮をむいて干すのだということ、考えてもみませんでした…。ただ干せばいいというものでもなく、つるして、位置を変えたり、手間暇をかけて、待つ。かけた手間や時間の分だけ、豊かな甘味が得られるのだということが、携わる人々の暮らしぶりから伝わってきます。

  干し柿に限らず、丹精込めた作物の収穫は、うれしいもの。お手製の作品をほお張る子供たちの笑顔が、印象的です。

  【今週の絵本】『干し柿』西村豊/写真・文、あかね書房/刊、1260円(2006年)

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