2009年 11月 23日 (月)

       

■ どうなる農地保全事業 事業仕分けの対象、これから議論に

 新政権が行う「事業仕分け」について、県内約450地区が取り組む農地・水・環境保全向上対策の交付金事業が対象になっている。後半の24日以降に取り上げられる予定。事業は07年度から2011年度まで5カ年の時限立法で今年度が中間年。各地区で事業に取り組んでいる関係者からは事業途中で廃止や予算縮減されることへ不安の声が漏れている。

 「残り2年。事業仕分けによって今後どうなるか。政権交代でなくなってしまうのか」。18日行われた盛岡広域圏内各地区の組織を対象に開かれた「盛岡地方結(ゆ)いによるふるさとづくりの集い09」(盛岡地方振興局主催)。約320人の参加者の中から不安の声が飛び出した。

  伊藤日出輝盛岡農村整備室長は「前半の5日では出なかったが後半の議題に上がるだろう。どう仕分けされるか全く予想がつかない。大変よい事業で地域に役立つもの。仕分け人に中身を分かってもらう必要があると思うが答えようがない」と困惑した。

  事業は農村で農家が減少する中、地区住民が協力して農業用水路の草取りや側溝の泥上げなど農業水利施設の保全に当たる。同時に子供や保護者、地域全体を巻き込んで水路や河川の水質や水生生物の調査、散策会を通じ、防火用水など多面的な機能を維持し、環境を守る狙いがある。地域資源や歴史の掘り起こしなど独自の取り組みを展開する地区も出ている。

  各地区の組織は5年分の計画書を提出し、それに基づいて活動している。活動資金として必要経費の一部が交付金として各組織へ各年度支給される。時限立法のため5カ年以降も継続して取り組むことが求められる。

  盛岡広域圏内は初年度127地区から08年度に8地区、今年度4地区が加わり計139地区の組織がある。今年度の交付金は概算で約2億5千万円(営農活動分除く)。5年間分では約12億円に上る。県全体では約450地区あり、圏内のほぼ3倍の額になる。

  今回の事業仕分けにより5年間保証されていたはずの交付金が来年度以降減額や廃止になれば、各地区の事業推進に支障を与えかねない。

  集いで講演した廣田純一岩手大学農学部教授は「違う立場の一般国民に取り組みの様子を伝えることが大切。支持があれば状況も変わってくるだろう。活動に自信を持ち、国民にアピールすることだ」と呼びかけた。

  集いは廣田教授による「農村環境保全活動による地域づくり」がテーマの講演、先進的な滝沢村や矢巾町、八幡平市の4組織が活動内容や課題を発表し合った。

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