2009年 11月 25日 (水)

       

■ 目標は反収900キロの飼料米 岩手と青森で共同研究

 東北農業研究センターと県、青森県産業技術センターは24日、県庁で記者会見し、多収稲品種共同研究の契約を締結したと発表した。10月に開催した北海道・北東北知事サミットの合意に基づく最初の共同研究。東北農研が系統選抜した稲を素材として岩手、青森の農業研究機関に提供。東北中北部向けの飼料用、米粉用の多収、極強冷性、いもち病に対する耐病性を備えた品種開発を目指していく。

  東北農研と連携した取り組みは以前から行われているが、異なる県の研究機関との連携、特にも品種開発については各県とも最重要機密で、ほとんど行われてこなかった。その一方で、輸入穀物と競争できる低コスト栽培の多収品種の開発は急務。限られた人員、研究費の中で連携することにより効果が期待されることから今回の共同研究を行うことになった。

  東北農研が所蔵する多様な稲で交配、世代の促進、初期世代の系統選抜を行い、岩手、青森に素材として提供する。開発する品種は青森県の津軽地方向け、青森南部と岩手県北部向け、岩手県中南部向けの3品種。青森南部と岩手県北はエリアの気象が重なることから、両県が選抜した系統品種の交換も視野に入れている。

  研究期間は当面5年間。大粒で通常の生食品種の1・5倍、10e当たりの収量は生食銘柄(通常550から600`)の5割増の900`。耐冷性はひとめぼれ以上の極強冷、いもち病の耐病性は強を目指している。

  東北農研センターの岡三徳所長は「国内の長い農業研究の歴史で2つの研究機関と共同研究してきた事例は多いが、3者が対等に共同研究を実施することは前例が極めて少なく画期的なことと考えている」と期待を寄せる。

  青森県産業技術センター農林総合研究所の野呂達實所長は「研究員、研究費が減らされ試験研究機関を取り巻く状況は非常に厳しい。主食用稲の共同研究は各県の戦略もあり思うように進んでいないのが現状だが、今回は非主食用の多収米。北東北に適した多収品種がなかなかないという共通課題もあり、クリアすべき課題が多い中で実現できてうれしい。全国に波及する効果は非常に大きい」と語った。

  県農業研究センターの宮下慶一郎所長は「短期間で生産者に提供するため各県がばらばらでやっていては出口が見えない。基礎的な資材を持っている東北農業研究センター、現地を持って耐冷性品種の開発に取り組んでいる青森、岩手が手を組めば育種も短縮できる。国の独立行政法人は基礎研究、われわれは現場向けの研究、この間には目に見えない壁があるが、それを越すためには最初から一緒にやり、成果を共有する。これが次につながることを期待している」と話していた。

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