2010年 4月 6日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉93 及川彩子 復活祭のチョコ卵

     
   
     
  若葉の4月、キリスト教の国ではクリスマスに次いで重要な復活祭を迎えます。今年の「聖なる金曜日」は2日。この日を中心に学校は1週間ほどのバカンスに入り、各家庭では大掃除やミサなどの行事で大忙しです。

  大掃除の後、玄関先に飾るのがオリーブの枝。大嵐の後、大海をさまようノアの箱舟から飛ばしたハトが「新天地発見」と、口にくわえて来たのがオリーブの枝だったので、これがキリスト復活のシンボルになったのです。 

  さらにもう一つの縁起物が絵付けした卵。これを、クリスマスツリーのように、オリーブの枝に飾って家族の繁栄を祈るのです。

  この期間の子どもたちのお目当ては、卵型のチョコレート〔写真〕。復活祭の1カ月も前から、街の店頭やマーケットに所狭しと並びます。大きさは、一口サイズから、高さ1b以上の巨大卵まであって、どれもラッピングされ、ズラリと並んだ光景は圧巻です。

  大きなチョコの塊だと、重さ数`にもなりますが、復活祭に出回るチョコ卵は中が空洞。玩具、ぬいぐるみ、文房具といった、子どもたちの喜びそうなものが詰まっているのです。

  中身を品定めすることはできませんが、値段によっては、テレビゲームやキティ人形、ラジオ、時計、香水など、まさに卵の福袋。

  聖なる金曜日のミサが終わると、子どもたちは親せき中の家を巡り、チョコ卵をもらいに歩きます。そして家族の見守るテーブルの上で、卵をげんこつで割るのが儀式。

  親せきのいないわが家の子どもたちにも、毎年、近所のおばさんたちや友人からたくさんのチョコ卵が届きます。去年は、その数20数個。チョコの欠片は約5`。それを菓子缶に入れ、家族みんなで食べ続けました。

  チョコレート好きのイタリア人ですが、日本のように「バレンタインデー」が浸透しないのは、それに勝る「チョコ卵」があるからかもしれません。

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