2010年 4月 7日 (水)

       

■ 民主王国へ挑む3新人 参院選戦いの構図

 今夏の参院選岩手選挙区(定数1)は、擁立作業が難航していた自民党の候補が5日、公認された。これまでに現職と新人の計4人が出馬表明しており、有力とされる6月24日の公示まで約80日の段階で、対決の構図が固まりつつある。ただ、社民党が政局の動向をうかがうとして保留していることや、新党結成の動きなどから比例を含め新たな展開の可能性もある。

  これまでに出馬表明しているのは、民主党の現職主浜了氏(60)、新人が自民党の県議高橋雪文氏(39)、共産党の県書記長瀬川貞清氏(60)、幸福実現党の幹事長代理松島弘典氏(52)の4人。

  主浜氏は3月3日の第1次公認となったが、すでに昨年から出馬に向けて活動している。党は県内の自治体選挙で積極的に候補を擁立し、地域地域で党の影響力を高める戦略を展開してきた。同時に比例で現職工藤堅太郎氏(67)を公認候補として決定しており、県出身候補と相乗効果で支持拡大を図る。

  主浜氏は3日、盛岡市内での会見で「相手がどなたになろうとも、これは自民党だけを見るわけにはいかず、すでに共産党も幸福実現党も出しているので、地道な活動を続けていきたい」と話し、初心に立ち返る姿勢を強調した。

  佐々木順一県連幹事長も「どういう顔ぶれになろうとも、今度の選挙は政権与党となって初めての国政選挙となり、与党という立場、意識を持って勝つための選挙を進めていくことに変わりはない」と語り、主浜氏も県民、国民の声を「実現できる立場にある」と、与党の強みを語る。県農政連や県土地改良政治連盟が民主党候補の推薦を決めるなど、自民党支持基盤に切り込んでいる。

  一方で、県連代表でもある工藤氏は「昨年9月の大きな待望論から見れば、だいぶ厳しい状況に追い込まれている。油断せずに、侮らずに危機感を持って県連としてきちっと対応したい」と引き締める。

  自民党は野党転落から攻勢に転じる最初の機会。候補者擁立に難航し、決まったとき、有力視される公示日まで3カ月を切っていた。鈴木俊一会長は4日の選対委員会後「必ず戦う、しかし誰でもいいというわけにはいかない。きちんとした人でないと責任を果たせないから。時間がかかったことは事実だが、決まったのでいよいよ一致団結して戦いを始める」と、一区切りつけた心境を語った。

  鈴木会長は「昨年の状況と今の状況はだいぶ変わってきた。期間が短いことは大変だが、有権者の民主党政権に対する失望感があり、十分、政策を訴えていけば勝機は作れる」と語る。しかし、現状は高橋氏が「組織力、資金力、知名度は民主党の方がすべて上回っている」と認めるように、出遅れを挽回(ばんかい)するのは容易ではない。

  高橋氏の知名度は全県ではまだまだで、党盛岡市支部では地元出身の比例候補を擁立して連動をという声が出ている。鈴木会長は「今まで選挙区候補を決めることに全力で、比例区についてはまったく手が回っていない」としながら「その可能性を探らなければならない」とし、党本部と相談していく考えを示す。

  高橋氏自身は政策中心で戦いに挑む。その中から「自民党を支援していただいた方、受け皿として認めていただくなら無党派層にもしっかり呼びかけながら支持を得て勝利に近づく戦いを仕掛けたい」と話し、民主党政治の批判の受け皿となり、勝機を見いだしてく。

  共産党は昨年12月に瀬川氏の擁立を決め、参院選の前哨戦を始動させた。この間、県内自治体選挙も参院選と一体となった戦いを進めている。菅原則勝委員長は自治体選挙の状況から「地方政治の部分での変化、可能性をつかんでいる」と、県民の党への期待感を受け止める。

  昨年の参院選では政権交代や二大政党に、多くの政党が埋没した。しかし民主支持が急落し、自民も浮上しない現状に対し「二大政党のどちらを選択するかという流れはある面で破たんした。自分たちの暮らしをどこに託したらいいかという激動的な模索が広がっている」と分析。

  「自動的にわれわれの側に支持が来るようなことではなく、頑張りいかんだと思っている。党の政策や姿、働きかけをどういう規模でできるかが勝負。伝えられれば大きな変化を作れると思う」と、躍進を視野に入れている。

  社民党は3月27日の県連大会で、選挙区候補の擁立は政局の動向を見て対応するとの方針を決めた。党が連立政権から離脱する場合は候補者を立てる考えでいる。


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