2010年 4月 14日 (水)

       

■ 「環境と水」で科学心 岩手大学の平野准教授グループが文科省の技術賞

     
  「環境と水」について語る平野准教授  
 
「環境と水」について語る平野准教授
 
  岩手大学農学部の平野紀夫准教授らのグループの取り組みが、今年度の文部科学省科学技術賞の理解増進部門で大臣賞を受賞した。東京都内で13日、表彰式が行われた。グループは学内で体験活動プログラム「環境と水」で毎年、児童生徒対象の理科実験を行ってきた。今年の科学技術賞は5部門113件が選ばれ、平野准教授らは身近なテーマで児童に科学を普及啓発した実績が認められた。

  「環境と水」は独法国立オリンピックセンターのこどもゆめ基金の助成を受け、2000年から理科実験や講演の体験活動プログラムを行っている。これまで約350人が参加した。平野准教授らはボランティアで、基金の助成は講師料や実験パンフ制作などに充てている。

  平野准教授のほかは清水健司教授(工学)、北爪英一教授(人社)、梶原昌五准教授(教育)、吉田純技術部農学系技術室副技術室長(退職)。水の細菌検査を通じた大腸菌の公衆衛生学、金属イオン検査での水俣病など重貴金属による人体への影響、水生の微小生物の観察を通じた水の浄化、合成洗剤がミジンコやメダカに与えている害|などを学習した。

  平野准教授は「大学の一般教養程度のことはやっている。小学生の高学年で理科実験に興味を持っている子は、専門用語が分からなくても内容は分かる」と話し、子どもたちの探求心をはぐくんだ。「環境問題が一番いい。僕らも細菌学やウイルス学をやっているので自分たちの専門を生かし、子どもたちが実験をしたり、外部講師の方をお願いしたりした。外国の現状を知っている人に来てもらい、聞いて日本の問題が外国につながり、外国の問題が日本につながっていることを知ってもらいたい。ドイツ人のように自分の家庭の中から、他人に言われてではなく少しでも自分で改善できることはないか、問題解決できる、理科実験の好きな子が育ってくれればいい」と話し、科学の扉へと導いた。

  ある小学生はメダカやミジンコの生態と洗剤の関係から、地球環境の問題に考えを巡らした。「せっけんと洗剤との違いを講義をしてもらい、せっけんを作ってメダカやミジンコに害があるのかどうかを実験で調べる。彼女はメダカが早く死に、ミジンコが小さいのに死なないことに気づいた。個人個人が現象は同じ物を見ていても取り組みが違う」と話す。「そんな子らが育ってくれているだけで十分な成果があった」と、受賞に自信を深めている。

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