2010年 4月 24日 (土)

       

■ 自治協働の新たな仕組みづくり 盛岡市が11年度にモデル指定で実施

 盛岡市は今年度、行政運営から「自治体経営」に転換し、自治協働の新しい仕組みづくりを行う。現段階の構想では、市内の小学校区を単位とする「地域づくり組織」を任意で設置。組織単位で「地域づくり計画」を策定し、市へ事業提案して地域振興の予算を獲得する。事業の財源は、玉山区の自治会に給付される総合補助金形式で実施を想定していく。さらに内容を見直し・充実させ、成案化。その後年度内に市内2地区をモデル指定して11年度から試行し、市全域に拡大させる考え。

 自治協働へ条例制定や目的税の導入をする他都市の事例も踏まえ、構想がまとめられた。「地域づくり組織」は市民、消防団、子ども会、老人クラブ、NPO、企業など多様な主体で構成され、地域を総合的にマネジメントできる機能を持たせる。

  「地域づくり計画」は地域特性などの認識共有化、地域課題解決への方策や役割分担を明確化させるのが狙い。地域のあるべき姿は5〜10年間の長期的視点に立った基本計画、役割分担や手法などを盛り込んだ3年間の実施計画で構成。

  市は各地域づくり組織の計画を市政に反映させ、総合計画など既存の市計画との整合性を持たせるため市地域自治推進計画(仮称)を策定する。地域づくり計画を具現化するため、各組織は市に対して一定のルールに基づいて事業を提案し、必要な予算を確保する。

  財源として地域づくり事業のための目的税を導入し、新たな負担を市民に求める可能性もある。市民1人年500円で計算すると、市内全46地区合わせて7131万円、1地区当たり155万円が配分される計算。継続的な運営、市との連携などが担保される必要がある。

  市の地域団体への補助金は市町内会連合会には事業別に申請を受けて給付する目的型、玉山区自治会連絡協議会には旧村以来の総合補助金型と、違う仕組みが併存している。合併に伴う制度統合は凍結されている。構想では地域づくり組織向けの新たな制度を設け、総合補助金として交付する考えも盛り込まれている。

  ほかには▽職員配置や市の人的支援のあり方▽参加促進のための情報発信▽合併に伴い設置された地域自治区制度との関係|などを示している。

  構想は、市が県立大学に設置した市まちづくり研究所で市と同大が共同研究してまとめられた。23日に開かれた研究成果報告会で09年度まで2年間研究所に派遣された藤澤勇市長公室地域協働推進事務局主査が報告した。市の職員や議員、市町連関係者が出席した。

  研究は、市民に身近な存在である地域コミュニティーでの公共的課題を解決していくことで、市政全体の市民の参画意識が醸成できるとの仮説を基に進められた。

  昨年9月に20歳から70歳代の市民1500人を対象に市民意識調査を実施(回収率45・2%)。その結果、多くの市民が地域活動の必要性を認識する一方、積極的な参加に結びついていないことが判明。参加したい地域活動は防災、育児・子育て支援と世代で異なることも見えてきた。

  藤澤主査は「盛岡市民は地域への愛着、結束、地域をよくしたいと思う半面、その思いが実現せず、参加しにくい行事の設定になっている。より多く参加してもらうよう課題を解決するため自治協働の仕組み作りに取り組む」と説明した。共同研究の成果は仕組み作り、制度設計のたたき台、構想に当たる。

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