2010年 5月 18日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉254 八木淳一郎 星空は春から夏へ

     
   
     
  このところぐずついた空模様の日が続いていますが、夜空は春から初夏へと移りつつあります。午後8時をまわれば、東の空にこと座の主星ベガが顔を出してきます。

  ご存じ七夕の織り姫星です。彦星のわし座のアルタイルが上がってくるのは、だいぶ遅れて午後10時ころでしょうか。デートに男性の方が遅れてくるなんて!こんなことではふられてしまうかもしれませんね。おっと、これは七夕の物語でもなんでもありません。話がややこしくなりました。

  いずれにしても夜半近くには、はくちょう座のデネブと合わせて夏の大三角が登場している、という時期となりました。しかし今年は天候不順でしょうか。初夏の星空を眺めるには似つかわしくない肌寒い夜は、まだまだ春の星空が恋しいといったおもむきです。

  もちろん春の星座たちはがんばっています。夜更けても、天頂付近にはうしかい座の主星アルクトウルスが人目をひくほどの明るさで輝いていますし、南西の方角には、あの清楚(せいそ)なたたずまいのおとめ座のスピカが真珠色でまたたいています。これよりさらに西側にはしし座の一等星レグルスがあり、スピカとの間には人気者の土星がいます。

  土星は昨年は輪が真横を向いてほとんど見えなくなってしまいましたが、今シーズンに入って輪の姿が見やすくなってきました。気流の穏やかな夜、大きめの望遠鏡では、3つ4つの衛星を従えて、本体には縞模様の2、3本と輪の影、さらにカッシーニの空隙と呼ばれる模様も輪の表面に見え、魅力がいっぱいです。土星のすぐ近くにあるのはしし座の2等星デネボラですが、これとスピカ、アルクトウルスの作る三角形を春の大三角といいます。そしてまた、北斗七星の柄の近くにあるりょうけん座のコルカロリという名の2等星をこれに合わせたものが、春のダイヤモンドです。

  ところで、いきなり秋の星座の話題というのも恐縮ですが、夜半過ぎて明け方までの時間帯には、秋の星座であるペガスス座やアンドロメダ座が顔を出してきます。

  実はこのペガスス座の付近にマックノート彗星というほうき星があって、毎日少しずつアンドロメダ座の方に移動していっています。まだ7、8等級と暗くて双眼鏡や望遠鏡でなければ見えませんが、7月の夏本番を迎えるころには肉眼で見える大彗星になるのでは、という期待が寄せられています。
(盛岡天文同好会会員)

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