2010年 5月 20日 (木)

       

■ 「長方形の悲哀」 内藤晴久さんが個展

     
  「言語発生装置」を横から見た図  
 
「言語発生装置」を横から見た図
 
  東京都青梅市在住の内藤晴久さん(65)の個展「長方形の悲哀」が29日まで、盛岡市上ノ橋町のギャラリー彩園子T・Uで開かれている。平面や立体、光の陰影を活用した13点が並ぶ。

  「長方形・門・時間」(彩園子T)は、縦135×横400aの大きな作品。真っ白な長方形の紙に、鉛筆と墨で描かれた5つの要素が共存する。対の円すい、縦に連なる5つの楕円(だえん)、長方形、球体、円盤型の軌道。長方形の中には、門がひっそりたたずむ。ものや生き物、時空をつなぐ接続詞の役目を担っている。

  「言語発生装置」(彩園子U)は、7つの小窓にひもが垂れる。ひもをそっと動かすと、7本が不規則に動き共鳴し合う。「身体軸1・2・3」(彩園子U)は、縦・横・斜めにピンと張られたひもが、最後は垂直に落ちている。どの体勢からも重力からは逃れられない。作品が哲学的な叙情を内包している。

  あいさつ文の一節に「正方形の絶対性に対して、長方形(直方体)には多様性がある」と記されている。「写真和田町12景」(彩園子U)の左下から3番目の直方体は、水道が通っていなかったころに使われていた濾過(ろか)装置。「中には石ころがあり、年に一度、地元住民たちの手で石を掃除していた。直方体の中に人が入って、地道に石を外に出す。その石を道路に並べて、全部きれいに洗う」と話す。年に一度しか日の目を見ない直方体の中に、小宇宙が広がる。

  彩園子Uでは、場内の蛍光灯や白熱灯を消したりつけたりすると、「長方形+ピラミッド」の壁に写るひもの影が姿を変え、「山水饗応」の全容が現れる。内藤さんは「訪れた皆さんには、ぜひ光で遊んで、作品の表情を楽しんでもらいたい」とほほ笑んだ。

  入場無料。展示時間は、午前10時から午後7時(最終日は6時)まで。休廊日は日曜日。内藤さんの来廊日は、22日と29日。問い合わせは、ギャラリー彩園子(電話653-4646)まで。


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