2010年 6月 3日 (木)       

■ 〈お父さん絵本です〉311 岩橋淳 999ひきのきょうだい

     
   
     
  田んぼに水が入って、日の暮れ方ともなると、専属合唱団の歌声が聞こえてくるようになりました。冬眠から醒(さ)めたカエルたちは、恋を歌い、やがて卵を産み、そしてオタマジャクシがかえります。

  今週の絵本に登場するおかあさんカエルは、999個の卵を産みました。無事にかえったオタマジャクシ、998匹。……おや? ひとつだけ、卵のまま残っているのは?

  先に生まれた弟妹たちには、もう後足が生えてきたというのに。のんびり寝息をたてているのは、一番先に産み落とされた「おにいちゃん」。総領の甚六か、おかあさんに促されてやっと出てきたおにいちゃん。弟妹たちはさらに前足まで生えちゃっているんですが、大きさだけはみんなの3倍はあろうかという巨大オタマジャクシとしてのお目見え。

  遅れてきた兄をとがめることなく無邪気に受け容れる弟妹たちと、のほほんと構えた当の本人。仲良くかくれんぼもいいんだけど、気をつけて! 何かが忍び寄ってきた……!

  おにいちゃん、ここでみんなを守って大活躍、ならいいのですが、どうも簡単にはいかないみたい。さて、どうなるか?

  しかけページも駆使したクライマックスは緊迫の展開に!? 春から夏への田園を舞台に描く、ほのぼの家族愛のものがたりです。

 【今週の絵本】『999ひきのきょうだい』木村研/作、村上康成、ひさかたチャイルド/刊、1050円(1989年)。



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