2010年 6月 6日 (日)       

■ 〈早池峰の12カ月〉48 丸山暁 ハーブマスターの極意

     
   
     

 この時期、ちょっと前から10月あたりまで、僕の朝の日課はハーブ採りである。雨の日以外は毎朝家のあちこちを歩き回って手ごろなハーブ4、5種を集めて回る。

  毎日ハーブの種類は異なるが、たくさんの種類をめったやたらに混ぜればいいというものではない。ハーブは香りが立つものが多く、香りの際立つ個性的なものを混ぜると、せっかくの香りが消えてしまったり苦味が出てしまうこともある。

  例えば、さわやかなラベンダーやカモミールのリンゴの香りを引き立たせたい時は、セイジやキャットニップなど香りと味が強いものは避け、オーデコロンミントやスペアミントなどを添える程度にしておく。

  レモンの味と香りを楽しみたい時は、レモンバーム、レモンバーベナ、レモンタイムなどレモン系のものをふんだんに入れ、コモンタイムやセイジで味を引き締める。

  組み合わせの基本的ルールは、個性の際立つもの同志はあまり混ぜないということである。主役級は1、2種類にして、あとはその主役を引き立てるような素材を絡ませるというのが基本である。

  それでも時には、その辺にあるものをめったやたらに寄せ集めてブレンドして、予期せぬバランスの良い味と香りが生まれることもある。

  また必要に応じて、あまり一緒にしない個性の強いもの同士をぶつけて、香りが飛んでも多少苦味が出ても、妙薬口に苦しということもある。そんな中にも案外、深い味わいや、今までにない香りを発見することもある。

  わが家には3、40種のハーブがあるのでハーブティーの組み合わせは、順列組み合わせ的には日常の暮らしでは無限にあるが、その中で香りや味が絶妙な組み合わせを日々選び採取するのがわが家のハーブマスターである僕の腕の見せ所である。

  基本は基本として押さえておいて、あとは失敗を恐れず臨機応変に冒険もしてみるというのが、ハーブの楽しみを生かすことでありハーブマスターの極意である。

  個性の強いもの同士はあまり交わらず、反発し合うこともあるが、時には相乗効果で絶妙なチームワークが生まれたり、お互いが触媒となり更なる魅力を引き出すこともある。

  気の合うもの同士の仲良しクラブも悪くはないが、何だか物足りないこともある。たまには冒険して異質なものにぶつかってみると、新たなドラマが生まれることもある。
  (丸山暁建築・空間工房、大迫・外川目在住)


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