2010年 6月 11日 (金)       

■ 〈尚子さんといっしょ〉39 高橋龍児 おいしい「通販生活」

 うちもほかの家ほどではないが、テレビや新聞広告の通販にはまっている。

  初めは新聞の広告にあった“ついに2万円切ったマッサージいす!”だった。注文して約1週間、デカイ荷物が届いた。尚子さんと2人で、いつもは使わない「温泉の素」なんか入れて少し長湯して、パジャマに着替え、リモコンのスイッチを入れて、「やっぱり背コリ取れるわ」とか「足までもめるんだ」と、キャアキャア喜んでいたが、いつの間にか2階のただのいすになり、しまいには押し入れへ入って出てこなくなった。

  次に買ったのはデロンギヒーター。イタリア製なので結構値がはった。根本的に電気で部屋を暖めるので、朝までつけても空気は汚れないし乾かないので寝室向けには快適であった。唯一の弱点は30分〜1時間前にタイマーでスイッチを入るようにしておかないと、暖かくならんということ。

  このタイマーが3年ほどで壊れてしまった。さっそく販売先へ漫画入りのファクスを送ったら「いつでも無料で修理します」と、漫画入りのユーモアあるファクスが返ってきたが、送り返すのが面倒で、これも押し入れで寝ている。

  尚子さんのもとへは怪しげな「ダイエット茶」なるものが届いたが、それから彼女の様子がおかしくなった。朝夕の食事の後に何度もトイレへ走るのだ。仕事から帰ってもすぐトイレ。結局、少しもやせることなく服用をやめ、今はウーロン茶でやせようと毎日飲んでいるが、これもちっともやせない。

  これは通販ではないが、わたしは車がだめになると、その日のうちに、その辺にある車を買って乗って帰ってくるというクセがある。面倒なローンの手続きは全部後回し。とりあえず、走ればどんなものでも構わないというスタンスなので、ディーラーさんは喜ぶ。大根を買うのと同じ。

  最近ヒットだったのはソーラー電池付電波腕時計。1秒たりとも進んだり遅れたりしない。仙台から電波がとんできて1日2回修正するからだ。

  やがてわたしも尚子さんも「サメの肝油」とか「皇潤」なんて商品のテレビCMを見て、注文する年齢になるんだろうか。今は他人のことのように思っているのに。でかい段ボール1個のラーメンセットが届いたが、通販ではない。わたしが毎日コツコツと出した懸賞が当たったのだ。しばらく食費は助かったが、ラーメンは飽きた。

  尚子さんは高校時代、アコーディオンをやっていたので、次は、ん十万円のキーボードを買うと言う。

  ちなみにわたしは、くれぐれも尚子さんより早くおだぶつするように言われているが、通販で買って不要な物は押し入れだからまだイイ。

  「ネエ、『生ゴミ』って書いてあげるから、それ首からぶら下げて、可燃日のごみの日に横に座ってらっしゃい。市で持ってってくれるから」だと。

  尚子さんにとっては、わたしというものが1番のムダ遣いだったようだ。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします