2010年 6月 18日 (金)

       

■ 多重債務をストップ 改正貸金業法きょう施行

 改正貸金業法が18日完全施行される。多重債務者を増やさないよう消費者金融の貸し付けを年収の3分の1までに総量規制し、これまで29・2%だった上限金利を15%〜20%に引き下げる。改正貸金業法については県や盛岡市の消費生活センター、財務省盛岡財務事務所などが債務者の相談にあたり、貸金業界は施行前から利用の適正化に努めてきた。施行に伴い年収の3分の1を超している多重債務者が借り換えて返済できなくなったり、生活に行き詰まる可能性があり、セーフティーネットの充実と周知が求められている。

  県民生活センターによると、09年度に寄せられた多重債務の相談は1762件、相談件数に占める割合は20・1%で、前年度の2213件に比べ451件、3・2ポイント減少した。同センターの工藤啓一郎次長は「貸金業者は法律の施行前から審査を厳しくしているし、相談はある程度、一巡しているのかと思う」と話し、関係機関による完全施行前の対策の効果を見て取る。

  消費者信用生協の上田正専務は、「金融庁の貸金業利用者へのアンケートによると、総量規制に該当する人たちの今後の対応は56%が『何もしていない』という結果が出された。3分の1以上貸せなくなって、返済に詰まるという問題が出ている。中にはセーフティーネットがあるのか調べた人もいるが、何もしていないのが半分以上。総量規制に該当する人で生活維持のため今後も新たな借り入れが必要という人は5割いた」と心配する。返済に行き詰まってヤミ金に走らないよう注意を促す。

  「どこからも借りられなくなるとヤミ金に手を出す可能性がある。ヤミ金、非正規業者から借りるというのも4・2%いた。自己破産などするというのは24%。どうしても借りられない人や自転車操業の人は相談に行ってほしい。どうしてもお金が必要なときはヤミ金には行かないで、セーフティーネット貸し付けを利用して。社会福祉協議会などの貸し付けは相当利用が伸びているのではないか」と助言する。

  財務省盛岡財務事務所と日本貸金業協会県支部の職員は11日、盛岡市の大通商店街で改正貸金業法の周知活動を行った。

  盛岡財務事務所の永石進所長は改正貸金業法について、「借りられなくなったのはなぜかと聞かれたら貸金業の主任取り扱い者を通して説明してほしい。借りられないという声に対しては行政機関に相談に行くように言ってもらいたい。生活資金には社会福祉協議会などを通して、生活資金の融資はすべての人に道が開かれている。セーフティーネットの貸出残高が増えるのではないか」と話した。

  貸金業界は総量規制や審査の厳格化に伴い淘汰(とうた)が進んでいる。日本貸金業協会によると県内の貸金業者は08年の23業者が、今年は17業者に減少した。

  滝沢村の業者は改正貸金業法に対して「返す側も返済期間が長くなると返済意欲が続くかどうか。好条件で貸し出して3カ月から6カ月は頑張って返してくれても、続かないことがある」と懸念する。

  サラ金の利用経験がある盛岡市の女性(58)は「すごく不便な制度で、これまで収入がなくても2、3回サラ金から借りたことがあるし、病院に入ったときは60万くらい借りた。今は仕事がないのにこういう改正になって、必要なときはどうしたらいいのか」と、切実に受け止めていた。

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