2010年 7月 1日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉315 岩橋淳 「ねえ とうさん」

     
   
     
  先日、南極のペンギンの生態を追ったドキュメンタリー映画を観ました。卵や雛(ひな)を交互に守って、ペンギンの夫婦は命がけの旅に出ているというもので、自然の厳しさ、生命の尊さについて、強烈なメッセージが謳(うた)われていて、感嘆の連続。

  ペンギンに限らず、野生動物の生態を見聞きする限り、たとえ形は違っても親子、家族の絆(きずな)は、厳しくもしっかりと保たれているようです。

  さて、森に棲(す)むくまの母子。この家も、とうさんは毎年、長い旅にでている様子。それがもうすぐ帰ってくるというので、くまの子は待ち遠しくてなりません。

  男の子にとって、しばらくぶりに会うとうさんって、少しきまりわるいような、照れのような感情がわいたおぼえ、ありませんか? 「少しは成長できたんだよ」とか、逆に、そんなふうに見えなかったらどうしようとか、会う前から自分ひとり気をもむような、不思議な感情。

  やがて大きなおみやげを担いで帰ってきたとうさんは、大きく、強く、たのもしくて、しっかりと家族を包んでくれます。…、やっぱり、とうさんって、すごい。

  待ち遠しかったけれど、ちょっぴり気負っていたくまの子ですが、まだ、「こども」が一番。素朴でまっすぐな親子関係がほほ笑ましく、ぬくもりたっぷりの一冊です。

  【今週の絵本】『ねえ とうさん』佐野洋子/作、小学館/刊、1470円、(2001年)。

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