2010年 7月 8日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉316 岩橋淳 ほんちゃん

     
   
     

 今週の絵本の主人公「ほんちゃん」は、本の国に住む、本のこども。ここは絵本の国のルールに則って、本とは、最初真っ白、修行を積んで、成長して、「どんな本になるか」…いわば「進路」を決める、というものである、との設定に従って読み進むことといたしましょう。

  書店、図書館、古本屋…。本が集まっている所に出かけては先輩(現場の本)たちから話を聞いて、どんな本になりたいかを考える。お母さんからは「りっぱな図鑑になりなさい」なんて言われているんだけど、ぼくはスイッチとかリモコンとか付いてる「メカほんちゃん」になりたいんだよな…。って、「○イパッド」みたいなこと言ってますが…。

  どんな本なら、ずっと大事にしてもらえるのか? びしょびしょべたべたびりびりくしゃくしゃにされる「こどもの本」はいやだし、古本屋に売られてしまうのも…。本としての幸せって、いったい何だろう。

  不要になって売られてしまった、と思っていた「古本屋の本」から教わった、新しい出会いの瞬間。それこそが、本にとっての幸せであることに気づくとき、ほんちゃんは一人前の本として、本棚に立つことができるのでした。どんな出会いに価値があるのか。どんな出会いが自分を成長させてくれるのか。たとえ時間はかかっても、です。

  【今週の絵本】『ほんちゃん』スギヤマカナヨ/作、偕成社/刊、1050円、(2009年)。


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