盛岡タイムス Web News 2010年 10月 8日 (金)       

■ 建物・店舗開店、地域に事前説明を 盛岡市が条例に配慮事項追加へ

     
  中高層建築物をめぐり、地区住民が治安の悪化などで不安の声がある盛岡市の本宮地区  
 
中高層建築物をめぐり、地区住民が治安の悪化などで
不安の声がある盛岡市の本宮地区
 
  盛岡市は、建築物の建て主と地域住民間のトラブルを解消するために制定した関係条例の改正作業に着手している。市内では周囲から突出した高層階の建物建設や店舗跡に別業態の店が営業するなどで、事前説明や合意のないまま建設や営業が始まり、住民との間にトラブルが起きている。改正により建て主、建物取得者が地域に配慮する事項を追加し、建築計画の説明機会確保を図る考え。来年6月施行を目指し、25日まで改正内容について市民意見を募集している。

  条例は03年度施行の「盛岡市中高層建築物等の建築等にかかる住環境の保全に関する条例」。中高層建築物とは高さ10bを超える建築物で、商業地域以外なら地階を含めて4階以上、10b以下も条例の対象。ほかに10戸以上の共同住宅や寄宿舎、パチンコ、カラオケボックスなど風営法の規制対象も含む。

  この中では建て主が建築前に建築計画を事前に標識で周知し、「説明会等(戸別訪問含む)」の開催を明記。トラブルの未然防止をうたっている。それでも解決しない場合、市は双方の申し出によりあっせんをする。それでも合意が成立しなければ「建築紛争調整委員会」に調停を付託するという。

  改正内容は@「中高層建築物等」に連続する長屋、葬祭場(主に葬儀を目的とした集会施設)の追加A計画段階で配慮すべき事項の風営法規制対象の店舗への追加、葬祭場での新設B計画の周知対象の「近隣住民」のほか、建て主に説明を求めることのできる「周辺住民」の影響要因に「ごみ集積」と「通学路の安全確保等」の追加C計画周知の対象に建築基準法上の「用途変更」の追加|の4点。

  @では追加対象の建築物を建築する場合、計画する敷地に標識を設置して周知を義務づけ。Aでは風営法規制対象店舗で建築物や広告物からの「音や光」を追加。葬祭業では▽隣接地の道路の安全確保▽自動車、自転車の駐車スペース確保▽建築物の広告物の意匠や色彩、音やにおい|などの配慮を求めている。

  Bは既に規定されている電波障害、工事の騒音、地下水の枯渇の影響要因に新たに2項目を追加する。この場合、敷地境界線から対象建築物の高さの2倍の水平距離の範囲を「近隣住民」(所有者、占有者)、建築物の影響を受けると認められる範囲を「周辺住民」(所有者、関係者)としている。

  Cは新築に限定せず、たとえば空き事務所を取得し、小売店舗を営業しても計画を住民に周知するよう求めている。

  最近市内では本宮地区の家電量販店の移転後、店舗跡に24時間営業のリサイクルショップが開店したり、仙北地区の破産企業跡地に14階建ての集合住宅建築が持ち上がったり。住民らから用途変更のない別業態の営業開始で説明を受ける手段がないこと、建築確認申請前の説明不足などに疑問の声がある。

  改正内容は先月29日に市議会へ説明された。市議からは地元を代弁して改正以外の条例の不備が指摘された。本宮地区を地盤とする金沢陽介氏(盛友会)は「小売店舗から小売店舗では用途変更に当たらないので改正しても対象にならない。実際開店後に説明会が開かれた。事前にアクションを起こす手だてがない」と主張。

  仙北地区を地盤とする鈴木一夫氏(改革・みらい)は「条例の『説明会等』という記述から建て主側がチラシ1枚で説明したことにした。説明会開催の市の指導のもと説明会が開催された。今後も同様の手法が起きるのではないか」と問題視した。

  意見募集などの問い合わせは、市都市整備部建築指導課(電話651-4111内線7229、7230)へ。


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