盛岡タイムス Web News 2010年 10月 13日 (水)

       

■ 〈過ぎ去りし日〜北上山地の写真帳〉24 ワスレグサ 横澤隆雄

     
  昭和60年ころ、川井村江繋(現宮古市江繋)にて  
 
昭和60年ころ、川井村江繋(現宮古市江繋)にて
 
  ヒガンバナ科のナツズイセンのことを実家のあたりではワスレグサと呼びます。

  葉のある時期には花がなく、花のある時期には葉がないので、ハナシハナナシとも呼ばれるこの花は、古いお墓などに植えられていることがよくあります。

  ワスレグサという呼び名は、亡くなった人を忘れるとか忘れないとか、そんな意味があるのでしょうか。ヒガンバナと呼ぶ人もあるので、ヒガンバナの育たないこの地に代わりに植えられたものかも知れません。

  わたしの知り合いが子どものころ、母親の誕生日にきれいなお花をプレゼントしようと思い、この花を摘んで帰ったところ家の中が大騒ぎとなり、たたりがあるとか仏さまを連れて来たとか言われてすごく叱られた思い出があると話してくれました。

  とかくお墓を連想させる花ですが、先入観なしに見るととてもきれいな花なので、わたしの実家では家の庭に植えています。

  増やそうと試みるのですが、それほど簡単に増える花ではありませんので、この花がたくさん咲いているところにはそれなりの歴史が刻まれているのだろうと思います。
(紫波町在住)

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