盛岡タイムス Web News 2010年 10月 21日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉330 岩橋淳 しごとをとりかえただんなさん

     
   
     
  ちいさな家に1頭の牛と何羽かのニワトリを飼い、そこそこの広さの畑を耕す日々を送っている、若い夫婦がおりました。

  夜明けと共にだんなさんは畑にでかけ、帰宅は、夕方。留守を守るおくさんは家のしごとをこなし、だんなさんを迎えます。ささやかながら健全な、こんな毎日がずっとずっとずーっと…、続くことに、フト疑問を感じてしまったのは、ある日たいそうくたびれて帰ってきた、だんなさんでした。その疑問の矛先は、おくさんへ。

  人が畑で1日、あくせく働いているというのに、ずいぶん楽な暮らしをしているもんだ。

  だんなさんの疑問に、おくさん陽気に答えていわく、いいわ、それなら、明日から仕事をとりかえようよ。…、とういう訳で、翌朝、おくさんは畑へ。送り出しただんなさんは、ほうきを手に、鼻歌まじり。夕ご飯の計画を考えるなど、余裕しゃくしゃくです。ここまでは、よかった。でも???

  これをお読みのお父さん諸氏、身に覚えはございませんか? だんなさんを待っていたのは、想像を絶する家事バトル。おくさんは毎日、これを涼しい顔でこなしていたのか?

  それぞれには、それぞれの分があり、それぞれが、大切な役割、ということ。

  のどかな中にもちょっぴり風刺の効いた、ノルウェーの民話です。

  【今週の絵本】『しごとを とりかえた だんなさん』W・ウィースナー/え、あきの しょういちろう/やく、童話館出版/刊、1470円(1972年)。

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