盛岡タイムス Web News 2010年 11月 2日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉267 八木淳一郎 望遠鏡教室その5

     
  箱が森あたりへ沈む木星(10月27日午前2時6分)  
 
箱が森あたりへ沈む木星(10月27日午前2時6分)
 
  カメラやOA機器などを通して、ニコンやペンタックス、ツァイスなどのブランドは多くの人に知られていますが、残念ながらこれらのメーカーは望遠鏡業界から撤退しています。望遠鏡作りがコストの面で割に合わなくなったせいでしょうか。

  それでは現在の望遠鏡の世界でのブランドとは?大きさや重さを含め、小中学生や初心者が扱うのに適した望遠鏡で、なおかつ性能の面でも優れたもの-となりますとビクセンやケンコー、トミー(ボーグ)といったメーカーがあげられます。

  これらは反射や屈折、カタディオプトリックなどさまざまな光学形式のものを作っており、予算に応じて初心者から上級者向けのものまで種類も豊富です。将来、周辺の装備を充実させたい場合でもパーツがそろっている利点もあります。中でもビクセン光学は技術力、総合力では群を抜いていると言えるでしょう。

  購入に当たっては、東京など首都圏にたくさんあるショップやディーラーの通販や直接店に行って購入するのが、さまざまなアドバイスを受けられますし、値引きも大きく有利です。

  どんなディーラーがあるかは「天文ガイド」や「星ナビ」といった月刊誌に広告がたくさん掲載されていますので、まずは書店で雑誌を買ってパラパラとページをめくってみることをおすすめします。

  初めての方は雑誌の広告をもとにその道の先輩方に聞きながら、あるいはお店の人に電話で相談してプランを練っていくのがいいでしょう。

  ではほかのメーカーはどうでしょうか。まずは三鷹光器。人工衛星搭載機器や脳外科などの手術用顕微鏡といった分野でも定評のあるこのメーカーの望遠鏡は、主に反射式のしかも50a以上の大口径のものが市民天文台など公共の天文台にも数多く設置され、性能面で圧倒的な信頼を得ています。

  岩手県内にも室根山のきらら天文台に50aのものがあり、いきさつは知りませんがよくぞこのメーカーを選んだものと敬服します。

  西村製作所|京都にある老舗のメーカーです。主として反射式を手掛け、京都大学宇宙物理学教室やアマチュア天文家の国内最大機関である東亜天文学会など関西を中心にした研究施設や人々との結び付きが強く、さまざまなニーズに呼応しながら歴史を築いてきたメーカーです。

  岩手県内では八幡平市の焼走りの天文台や一戸町の天文台に口径50a反射望遠鏡が設置されており、全国的にも大型反射のシェアの多くを占めています。ただ、精密光学機器らしからぬ旧態依然の部分が多少見受けられる、との厳しい見方をする向きもあります。いずれ、三鷹も西村も初心者向きのメーカーではありません。

  さて、昭和40年創刊の誠文堂新光社の「天文ガイド」は間もなくして、東京天文台技官による主に初・中級者向けの国産の小・中口径のいろいろな望遠鏡のテスト記事を長期にわたって掲載し、その大半が極めて辛い点数を付けられていました。そんな折り、タカハシ(高橋製作所)ブランドがこの世界に打って出るのです。
(盛岡天文同好会会員)


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