盛岡タイムス Web News 2010年 11月 3日 (水)

       

■ 〈過ぎ去り日〜北上山地の写真帳〉27 亀じいさん 横澤隆雄

     
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  明治34年生まれの亀じいさんには、子供が7人、孫が18人、そして30人を越えるひ孫がいました。30人を越えるひ孫のほとんどはよそに嫁いで行った娘たちの孫で、いつも一緒に暮らしているひ孫はこの子たちだけでした。

  「家の孫が一番めんこい」と、2人のひ孫をとてもかわいがっている亀じいさんでした。子や孫たちに囲まれて悠々自適の生活を送っている亀じいさんでしたが、若いころに連れ合いに先立たれてからは苦労の連続だったと聞きます。

  幼い子供たちを抱えていたのは食糧難の時代だったと話してくれました。夏の間は、山ひだに開いたわずかな畑を耕して家族を養う食料を確保し、農閑期の山仕事などで得たわずかな現金収入で何とか育て上げることができたのだとか。

  若いころは苦労ばかりしたから今が一番幸せなのだ、と話してくれた亀じいさん。その亀じいさんが亡くなってから10余年。この子たちの成長を誰よりも喜んでいるのは亀じいさんなのかもしれません。
(紫波町在住)

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