盛岡タイムス Web News 2010年 11月 4日 (木)

       

■ マンモス化する県内書店 ネット販売へ対抗意識

 盛岡市みたけ3丁目に東北最大級の書店エムズエクスポ盛岡店がオープンし、県内の書店は一層の大型化時代を迎えた。日販の調べによると県内の書店は08年の176店が、09年は171店に減少する半面、売り場の総面積は3万5280平方bから3万5468平方bに増加した。これにエムズエクスポ盛岡店を加えると売り場はさらに増加し、1店舗当たりの面積の拡大が続きそうだ。ネット通販や電子書籍、大型古書店の進出、コンビニでの雑誌販売など、活字文化の市場は多様化しており、店頭販売では品ぞろえのスケールメリットで勝負する傾向が強まっている。

  エムズエクスポ盛岡店は文具、CDと合わせて約4750平方bで開店し、うち書店の面積は約2800平方b。同店を運営する花巻市のマルカンの佐々木一社長は「話題の本が手に入るのは当然、自分で認識していなくて、知らない本に巡り合えるような店を目指す。検索装置で自分の好きな本を見つけてほしい。たくさんの本の中から、お客さんにいい物に巡り合える機会を提供したい」と話す。

  店頭には検索機を8台置き、ペーパーで図示して広い店内を誘導する。佐々木社長は「リアル店舗に存在価値があるためには、大きな店でないと品ぞろえができない」と話し、アマゾンなどネット通販への対抗意識を見せる。

  盛岡市大通2丁目のジュンク堂書店盛岡店の岩橋淳店長は、「ジュンク堂が出店したとき、アマゾンでないと手に入らない本を、店で手に取りめくって見て買うことができる需要を掘り起こしたと思っている」と話す。

  同店はMOSSビルの3、4階に約2400平方bの売り場で出店し、12月で4年目を迎える。「盛岡の皆さんに認知はしてもらったと思う。大都市圏と違い30万都市なのでリピートを増やしていかねば」と話し、地元の購買力と読書量に合わせて、売り場の構成を充実している。

  エムズエクスポの開店については「車で20分ほどの距離を考えると、被っていると言っていいが、ストアコンセプトではどうか。あちらは大型店の客層に近いのではないか」と話している。

  県書店商業組合理事長で、盛岡市の東山堂の玉山哲社長は、「アマゾンのような通販のシェアがふたケタで伸びていているとは言っても、書店の年間売り上げ高は毎年減っていて2兆円を切るようだ。大型店は伸びているが、街の中小の本屋は減っている」と話す。

  肴町商店街の老舗(しにせ)の同書店は、平成に入って店舗の郊外化、大型化を進め、本店を含めて県内7店舗がある。イオンなど大型SCへの出店や、ホームページを通じた販売など業態を多角化してきた。玉山社長はエムズエクスポの開店について、「影響力は読めない。最初の1、2カ月を見ないと」と話し、商圏の動向を注視する。

  書店業界の立場から「読書週間であり、青少年期には必要な活字文化を大切にしていかねばならない」と話し、文化的な責務も強調した。

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