盛岡タイムス Web News 2011年 1月 11日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉113 及川彩子 二つの人気菓子

     
   
     

 1月6日でクリスマスシーズンが終わり、イタリアのどの菓子店でも、2つのクリスマスケーキ「パネトーネ」と「トローネ」の大安売りが始まりました。

  パネトーネは、大型パンの意味で、酵母でゆっくり発酵させ、焼き上げ、完成までに丸3日。ほのかに甘く、柔らかで、レーズンなどのドライフルーツ入り。何も入らないのがパンドーロ(黄金のパン)で、粉砂糖をたっぷりかけて食べます〔写真〕。

  最近は、チョコレートやレモン風味など、種類もさまざまですが、基本は、シンプルな卵色のバニラ味。毎日のように食卓に上っても飽きない、伝統の味です。

  今では、日本でもイタリア食材が手に入るようになりましたが、パネトーネだけは「酵母」を輸出しないので、外国での製造は難しいと言われています。

  パネトーネの値段は、1個1`約500円ですが、シーズンの明けた今は100円ほど。保存料を使わず、賞味期間が6カ月以上と長期なのは天然酵母のおかげ。どの家庭でも大量に買い込み、春先まで朝食代わりに食べたりするのです。

  トローネは、長時間とろ火で練った蜂蜜に、卵白、アーモンド、ピスタチオなどのナッツ類を入れたヌガーを、ウエハースで挟んだり、チョコで包んだ板状の固めのお菓子です。シーズン中は、1`600円ですが今は半額。

  20世紀に定着した比較的歴史の浅いパネトーネに比べ、トローネはローマ帝国時代、すでに原型となるヌガー菓子があったと言われます。一時はパネトーネに押され気味でしたが、最近ベネチアの店がコーヒー豆入りを開発、人気商品になりました。

  柔らかいパネトーネを頬張る子どもたち。口の中で少しずつ溶けるトローネを、時間をかけて味わうお年寄りたち。どちらも、春のキリスト復活祭まで続く「黄金」の味です。


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