盛岡タイムス Web News 2011年 1月 11日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉272 八木淳一郎 地球や、いかに

     
  冬の滝沢村森林公園。凍った池の上に、盛岡の市街地の明かりを映し込んだ雪雲が流れ、その切れ間からときおりオリオンが姿をのぞかせた  
 
冬の滝沢村森林公園。凍った池の上に、盛岡の市街地の明かりを映し込んだ雪雲が流れ、その切れ間からときおりオリオンが姿をのぞかせた
 

 今冬のどか雪に、1963年(昭和38年)のいわゆる三八(さんぱち)豪雪を思い出した方もいらっしゃるのではないでしょうか。あの時、新潟など北陸地方は列車の運行が長い間ストップし、物資の供給に支障をきたして住民の生活がおびやかされたのでした。このたびの豪雪は日本だけではなく、欧米でも広く被害がもたらされています。地球規模の異常気象と言っていいのかもしれません。

  ところで、63年前後には、太陽系の他の惑星にもさまざまな現象が観測されました。木星の表面には数本の縞(しま)模様があって、そのうち木星の赤道をはさんで南北に、通常は同じくらいの太くて濃い縞である南赤道縞と北赤道縞と呼ばれるものがあります。しかしこのシーズンには、二つが合体したような形で太くて濃度も増した縞模様となっていました。

  また、土星の本体には白斑と呼ばれる大きな模様が現れました。火星では北半球に大貴雲と呼ばれる大きな砂嵐あらしが発生し、緑色の模様が覆われてしまって、火星全体が赤茶けてしまいました。もっとも、火星のこうした現象は、火星の北半球が夏の季節を迎えるときにはほとんどつきものであり、15年ごとに起こる地球との大接近は必ず火星の北半球が夏になっているので、こうした現象を目にしやすいことになります。

  さて今シーズンです。地球はこのように雪の被害が広がっておりますが、他の惑星では、木星にまたまた異変が起こっておりました。数十年に一度といわれる、撹乱(デイスターバンス)と呼ばれる現象です。それは例の南赤道縞が63年の時とは打って変わって、ほとんど消えてしまったのです。

  最近少しずつ復帰しつつあることが確かめられていますが、新しい知見によれば、濃い模様がアンモニアの氷の粒に覆われてしまうため起こるとされます。その前に、木星の表面にある数本の縞模様がなぜできているのかなど、分からないことがたくさんあります。

  太陽黒点がさっぱり増えてこない異常な現象がまだ続いていますが、11年ごとに増えたり減ったりする周期のほかに、200年ごとの大きなうねりがあるとも言われ、また小氷河期が訪れる可能性も無いとは言いきれません。

  地球は太陽系の一員であり、太陽の活動に左右される運命にあります。一方で惑星のさまざまな異常現象が共通の原因で起こっているとする証拠はなく、全くの偶然かもしれません。いずれにしても、ときには、太陽や他の惑星たちがどうなっているのかに盛岡の子どもたちも市民も目を向けてみることは、宇宙観を形成する上で決して無意味ではないように思います。
(盛岡天文同好会会員)


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