盛岡タイムス Web News 2011年 1月 14日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉11 草野悟 さすがの天然ホヤ、食の匠の技だなあ

     
   
     
岩手県三陸海岸の最北端洋野町の種市に「はまなす亭」があり庭さんが働いています。庭さんは「食の匠」認定者なのです。庭さん、よっぽど暇だったのか根性がありすぎるのか、この種市の天然ホヤの中に詰まっているホヤ水を、気が遠くなるようなこまめな作業でカメに入れ、弱火で何日も煮込み、とうとう「ホヤ塩」を作ってしまいました。

  ほんの少し舐(な)めてみますと、洋野町の真っ青な海と空のような爽やかな気分が駆け巡り、それでいて養殖のホヤぐささがまったくなく、目をつぶると深く豊かな、かすかな甘みが舌の上をはいずり回ります。

  当然よだれが後追いしてくるから昼時に舐めると大変です。胃袋が喉から手を出してきてしまいます。夕時に舐めますとお酒が飛び込んできてしまいます。

  このホヤ塩と天然ホヤを使ったおにぎりは、天皇陛下に献上しようかと思うほどのおいしさ。皆さん無言になってしまいます。さらに鍋には天然ホヤのシャブシャブがズドーンと構えています。あっさり味の庭さんのような優しい味。もちろん当然コリコリの天然ホヤのお刺身まで付いてきますから、まあ通常の神経なら目まい、卒倒、裸足で駈(か)け出してしまいますな。

  この天然ホヤ満喫コースは、SMAP(Sanriku Marketing Action Party)が推薦する「駅−1グルメ」に採用いたしました。

  「冬の間はご提供できます」と庭さん。八戸からもすぐ、久慈からもすぐ近く、決して遠くない種市まで足を運ぶ価値十分です。しかも天然ホヤコースは驚くほどリーズナブル。岩手の人たちってあくせくしないんですね。せっかく青森まで新幹線が通ったのですから、帰りにちょっと寄り道するなんて、とっても粋。冬の三陸、楽しくおいしいですよ。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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