盛岡タイムス Web News 2011年 1月 15日 (土)

       

■ 視覚障害者が大雪に難儀 点字ブロック消え、雪壁阻む

 この冬の盛岡地方の大雪で、視覚障害者が歩行に難渋している。歩道の点字ブロックが埋まり、盲導犬は雪の壁に行く手を阻まれ、視覚障害者の足下が危険な状態。除雪を担当する盛岡広域振興局によると、今年は県道下の融雪装置が一部で効かなくなるほど寒さが厳しく雪が多い。視覚障害者からは自動車の徐行や市民の手助けを求める声がある。

 盛岡市本町通3丁目の県視覚障害者福祉会館には12人の視覚障害者が通う。年が明けると周囲は雪だらけで、来るのに一苦労している。

  県視覚障害者福祉協会の及川清隆理事長は「点字ブロックは分からなくなり、歩道のインフラは機能せず、歩道と車道の区別がつかない。足の感覚だけでは歩行は困難。雪で音が吸収されると反射音がフィードバックされず、車が来たことが分からない。白杖は雪の山に当たってしまうし、雪に白杖では識別されにくく危ない」と話し、一変した環境に戸惑っている。「盲導犬は雪に対する順応性が希薄。目の高さが低いので、雪の山に視野をさえぎられ、臭いもなくなるので歩きにくくなるのではないか」と話し、視覚障害のパートナーにも厳しい冬になっている。

  同センターでマッサージに携わる吉川望さんは、近くの自宅から平常時に比べると2倍がかりの時間で通っている。「いつもは5分で来るのに10分はかかる。雪のかたまりにあちこちで当たり、道がつかめない」。奥州市から通勤する及川理事長は、盛岡駅から同センターまでの道のりを、「まるで雪中行軍のようだ」と話し、県都の道路事情にげんなり。県南の豪雪地帯は今年は雪が少なめという。及川理事長は「自動車は徐行してくれているのがありがたいし、周りの人に教えてもらうのがありがたい」と、市民の配慮に期待する。

  同市北山1丁目の盛岡視覚支援学校の谷村伸郎副校長は、17日からの冬休み明けを控え、「校門や校舎近辺の雪かきを徹底している。全盲の先生は白杖を使うのも大変なので、わだちを歩いていると言っている。生徒たちは近くの寄宿舎からや、家族に送られるなどして通うようだが、近くに買い物に行くときなどは雪に十分気を付けさせる」と話す。

  除雪を担当する盛岡広域振興局土木部道路環境課の立石清光主査は、点字ブロックの除雪について、「歩道除雪の一環でやっているが、確実に出せるところと出せないところがあり、今年は雪の量が多すぎる」と話す。同市中央通の県道の歩道には融雪装置が付いているが、場所や気温によっては装置の能力を上回り、点字ブロックが埋もれているところがある。「協力して助け合ってほしい」と、扶助の心に頼る。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします