盛岡タイムス Web News 2011年 1月 16日 (日)

       

■ 大雪被害80億円へ 農林業に集中、さらに膨らむ見通し

 12月30日から今月2日にかけての荒天による本県被害は県総合防災室の14日時点のまとめで62億1559万2千円となり、1週間前より20億円以上膨らんだ。山林の積雪、沿岸のしけなどで調査は思うように進んでおらず、今後さらに被害額は膨らむ見込み。12月22〜23日の荒天でも16億1255万8千円の被害が明らかになっている。24〜26日の大雪でも被害が出ており合わせると79億円を超える。多くは農林水産関係となっている。

 県農林水産部によると、一連の荒天による農林水産関係の被害は総額で76億2084万5千円。30日からの荒天に限っては調査率が70〜95%で60億8757万9千円となる。22〜23日の被害は調査率95〜100%で14億5823万2千円、24〜26日の被害は96〜100%で7503万4千円となる。

  特に水産関係は60億9573万2千円と大きな被害を受けた。農業関係は9億2264万5千円、林業関係は6億246万8千円となっている。

  県では激甚災害指定の可能性も視野に入れた国への支援要請、県の復旧事業、支援のため必要な被災規模の把握に努力。出先機関、関係団体、市町村などと連携し調査を進めている。

  しかし、今回の被災は、荒天が過ぎたあとも沿岸は、しけや海水の濁りなどで、養殖施設などの調査がまだ途中。林業も雪が山に深く積もっているため、倒木や幹折れといった被害状況の確認が思うように進んでいない。

  山林へのアクセス道は雪が積もったままの状態が多く、現場確認できる範囲が限られ、14日の時点で林業はシイタケ栽培施設の破損なども含め70%程度の調査率にとどまっている。

  比較的公道に近い場所の多い民有林を管轄する森林整備課の調査は約70%となったが、民有林よりアクセス環境の悪い県有林を所管する森林保全課の調査は半分程度になった段階という。

  山林の調査は全県で行われているが、盛岡〜宮古ラインよりも北の地域から多くの被害報告が上がっている。この時期に降る雪は軽いものが多いが、今回の大雪は湿雪で重く、葉を落とさないスギやアカマツに特に負担を掛けた。しかし、これまでの調査から山林での激甚災害指定は難しい状況とみられている。

  県有林に関しては近年、新規植栽をしていないため、植樹から10年の保険期間が適用される山林はほとんどない。このため、復旧は通常の山林事業に組み込めるかどうかとなり、国への緊急な支援要請が求められる状況にない。県民生活への差し迫った影響もないため、雪の状況を見ながら調査を進める考え。100%調査には雪解け時期までかかるとみている。

  一方、民有林に関しては保険適用の関わりもあり、早期の被害状況の把握が求められる。阿部義樹森林整備課整備課長は大雪に加え「面的な被害ではなく、単木的に点在して被害が出ている」と全容把握の障害を認めつつ「だいたいの概要はつかめた。残りは除雪されず入れないところ。できる限り早く調査したい」と話す。ただ少なくとも2月まで調査が続くとみられる。

  被害木にはアカマツも含まれるのは確実。弱ったマツはマツクイムシに狙われる可能性が高まり、拡大要因になりかねないと懸念が出ている。このため、今年は盛岡や紫波、花巻といったマツクイムシ被害の北端辺りでの監視に例年以上の注意を払い、拡大の阻止に努める。

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