盛岡タイムス Web News 2011年 1月 23日 (日)

       

■  「治水早く」と流域住民 簗川ダムの意見聞く会

 県は21日夜、簗川ダム検証にかかる関係住民の意見を聴く会を盛岡市東中野の同ダム建設事務所で開いた。国の要請に基づき再検証している同ダムの検証内容について説明。出席した簗川流域の関係住民13人からは、「暴れ川」を早期に治水してもらい「安心な日を送りたい」などと早期整備を望む声が上がり、現行のダムと河川整備による手法への異論は出なかった。

 政権交代によって国土交通省は、できるだけダムに頼らない治水をという方針を打ち出している。昨年9月、全国で進められているダム事業のうち89事業を新たな基準に沿って個別に再検証するよう地方自治体に要請。本県では国補助の簗川と津付(住田町)の2ダムが対象となった。

  県では大規模事業評価専門委員会に諮問し、国の基準に沿ってダム以外の治水を含め比較検証を進め検証内容をまとめた。過程ではパブリックコメントや地元市町への意向聴取も行われている。

  関係住民の意見を聴く会もその一環。県では聴く会で検証経緯や現行ダム案が最も望ましいとの内容を説明。出席者からは「国はダムに神経質になっているので決定までにいろんな問題が出ないか心配だ」「時の政府が変わり、八ツ場ダムのように予算を付けないとか一貫性がない。10年後に完成すると考えていいのか。予算が付くか心配だ」と、事業中止や遅れへの不安が吐露された。

  検証内容に対しては「1日も早く安心して住めるようにというのが住民すべての願いだと思う」「簗川は戦後、水害に遭ったのを見てきた。昔からお年寄りは暴れ川と呼んで洪水の恐ろしさを感じている」「2002年の堤防決壊(北上川との合流点より)はぞっとした。完成の前に100年に1度の雨が降ったらと心配」など、出席者が氾濫の不安を抱える地域住民だけだったため、早期の事業完成を望む声が相次いだ。

  ダム水没地域の根田茂から集団移転した町内会の代表は「話が出てきてから30年ぐらいになる。その間、待ち望んでいながらかなり多くの人が他界した。期待してきたのがなかなか進まず。心残りに他界した」とダム事業に協力してきた水没地域住民の思いを代弁した。

  住民の中には付け替え道路(国道106号など)は継続されるが、ダムは中止される、利水については水が余っている雰囲気を持っているなどと、住民の誤解を解く広報活動の強化を望む声も上がった。

  県では今後、31日の大規模事業評価専門委員会で引き続き審議し、ダム以外の事業の検討を求める立場の市民団体から要請を受け、意見陳述の機会を設ける。2月に再度開催して答申案をまとめる見込みで、答申を受けた県は3月に国へ検証内容を報告する予定。


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