盛岡タイムス Web News 2011年 1月 26日 (水)

       

■ 〈過ぎ去りし日〜北上山地の写真帳〉39 凍みダイコン 横澤隆雄

     
  凍み大根作り(昭和60年ごろ、川井村=現宮古市=鈴久名にて)  
 
凍み大根作り(昭和60年ごろ、
川井村=現宮古市=鈴久名にて)
 
  真冬日の連続がテレビや新聞で伝えられる頃になると、凍み大根作りが始まります。材料の大根は秋のうちに畑の中に休めておいたものを使います。

  真冬には畑が雪で覆われているのが普通のことなので、雪の中に手が入る程度の穴を開けて大根を取り出していきます。取り出した大根は煮て沢水にさらし、流水でアクを抜いてから軒下などにつるします。

  つるされた「煮大根」は凍結と乾燥を繰り返しておいしい凍み大根になるのですが、その過程には各家で微妙な違いがあります。

  私の家では大根を煮るのに豆腐釜と呼ばれる大きな釜を使いますが、釜のない家では大きな鍋を使います。大根をきちんと切りそろえてから煮る家、二つ切り程度のアバウトな形で煮る家と、大根の形にもその家の個性が現れます。

  沢水にさらすときは大根に穴を開けてひもを通すのですが、そのひもはフジづるだったりビニールひもだったり、ひもを通さず網に入れてさらしたりと、そんなところにも各家の個性が見え隠れします。こうして形も味も微妙に違う凍み大根が出来上がって行きます。

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