盛岡タイムス Web News 2011年 1月 27日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉343 岩橋淳 えほんをよんで、ローリーポーリー

     
   
     
  赤ずきん、白雪姫、ヘンゼルとグレーテル…、おなじみの童話で舞台になる、森(あらためて挙げてみるとグリム系のおはなしが多い)。さて今週の1冊はグリムではありませんが、鬱蒼(うっそう))とした森が設定されています。で、なぜかここを、(わざわざ)いろんな人が通るんですねぇ。そしてそれを待ち構える、世にも怖ろしいモンスター!このモンスターたち、頭からガブリではなく、「人をおどかす」のが仕事らしいので、まぁ需要と供給のバランスはとれているといっていいでしょう。ところが。

  ある日、若手モンスターのローリーポーリーは、ひとりの女の子の心胆を寒からしめて所期の目的を達しましたが、その女の子が放り出していったのが、1冊の絵本。ローリーポーリーは、あろうことか、これが気になってしまったのです。だって、とってもキレイだったから。そしてモンスターに芽生えた好奇心の灯は、彼をして文字を学ばせます。おっかないモンスター村長に叱られてもへっちゃら、やがてその輪は森のモンスターたちに拡がって…。

  モンスターの描かれ方にもいろいろありますが、ご覧の通りの面相ながら文化レベルの高めな部類(ズボンをはいてる!)に属するローリーポーリーなればこその展開。アニメ制作の現場にいた作者ならではのカラフルポップな雰囲気が楽しい作品です。

  【今週の絵本】『えほんをよんで、ローリーポーリー』L・シャルトラン/作、ロジェ/絵、徳永玲子/訳、ポプラ社/刊、1260円(2005年)。

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