盛岡タイムス Web News 2011年 2月 23日 (水)

       

■ 〈過ぎ去りし日〜北上山地の写真帳〉43 ウサギの思い出 横澤隆雄

     
  ウサギ小屋(昭和60年ごろ、遠野市青笹町にて)  
 
ウサギ小屋(昭和60年ごろ、遠野市青笹町にて)
 
  子どもの頃ウサギをたくさん飼っていました。ウサギは一度に2〜3羽(匹)の子どもを生むのですが巣穴から子ウサギが顔を出すまではのぞいてはいけないと言われていました。のぞくと親ウサギが赤ちゃんを食べてしまうと言うのです。

  待ちかねた子ウサギが巣穴から顔を見せてくれたときの感動は最高でした。生きたぬいぐるみとでも言うべきでしょうか、ふわふわの毛に覆われた真白なミニウサギはたとえようもなくかわいい生き物でした。

  ウサギは繁殖力が強くどんどん増えていくので、多いときで200羽(匹)のウサギを飼っていました。

  晩秋の頃、地区の中で「ウサギの競り市」があり、増えたウサギをリヤカーに乗せて父親と一緒に売りに行きました。落札されたウサギはその場で殺され、皮と肉とに分けてつるされていくのです。

  当時、ウサギ肉は食肉として珍重されていて、皮もそれなりの用途があったので買い手がついていたのでしょう。子どもの目にはとてもつらい光景でしたが、あのウサギたちは私にたくさんのことを教えてくれたように思います。

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