盛岡タイムス Web News 2011年 7月 3日 (日)

       

■ 平泉世界遺産、動き始めた観光業界 風評克服へ関係者にやる気

     
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  平泉の世界遺産登録が決まり、県内の観光業は震災の風評被害克服の起爆剤になるよう大きな期待を寄せている。大手旅行会社は世界遺産関連の旅行商品を企画し、首都圏を中心に売り込みをかけ始めた。東日本大震災津波により大きな打撃を受けた東北観光は、平泉の世界遺産登録をてこに、観光客を呼び戻そうと活発に動き出している。

 仙台市のJTB東北仕入販売部の石川稔幸氏は「登録する前提で商品づくりは済んでいて、今までのパンフレットははっきり表現していなかったが、正式に登録すれば表示できる」と述べ、登録決定を受けて首都圏で早速、売り込みに入った。宮城県を含めて震災の風評被害は大きく、「観光の復興のため7月からキャンペーンを大々的にやることになり、大市場の首都圏でプロモーションをしたい。これからは観光復興の一番のシンボルとして機運を盛り上げたい」と意気込んでいる。

  近畿日本ツーリストは平泉と十和田を組み合わせた国内ツアーを発売したほか、「東北六魂祭と世界遺産登録間近平泉に行こう2日間」など、震災復興と世界遺産を結びつけた商品を売り出した。盛岡支店の蛭間雅人支店長は「十和田、奥入瀬と絡めた平泉のコースなどを作り、首都圏発着の旅行客を増やしたい」と話し、北東北を入り口に巻き返しを図る。「風評被害が深刻なので、全国の人を呼び戻して見てもらいたい」と話し、花巻|名古屋便が復活した空路も有力な交通手段に挙げる。

  雫石町のホテル森の風は宿泊の「世界遺産登録平泉魅力プラン」を売り出している。水野卓也総支配人は「大きな観光資源にはなると思うが、実際には今すぐ観光客が動くことにはならないと思う。秋に花巻にチャーターが来れば海外からも見込める。震災以前の状況まで復活できるかと言えば、8月はもともと入り込みが多い月なので、よく見て判断したい」と話し、今後の動向に注目する。

  県観光協会の菊池和憲専務理事は「3年越しで登録の吉報をもらって良かった」と胸をなでおろす。08年の前回は県の観光課長として登録を目指したが、実を結ばなかった。「復興の足がかりになる。大事なことは世界遺産登録だけでなく、これで岩手ファンを増やすこと。また白神山地と平泉で、自然遺産と文化遺産を近い距離で見ることができるのを生かしたい。新しい旅行商品を提案して北東北の観光振興につなげたい。また岩手の滞在時間を長くするためには2次交通も大切で、盛岡からの直通バス、臨時列車なども活用したい」と話し、広域的な波及を求めている。


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