盛岡タイムス Web News 2011年 7月 13日 (水)

       

■ 〈東日本大震災〉神戸から協力申し出 かわいキャンプや復興支援センターに

     
  田中茂さん(左)と小森星児さん  
 
田中茂さん(左)と小森星児さん
 
  阪神淡路大震災後、市民活動の視点から復興のまちづくりに深く関わった神戸復興塾塾長の小森星児さん(75)=神戸商科大(現兵庫県立大)名誉教授=と、市民活動のサポートなどを専門とするNPO法人シーズ加古川(兵庫県加古川市)の理事長田中茂さん(55)が5日から11日まで盛岡市を訪れ、被災地支援に当たる団体の関係者らと意見交換した。「かわいキャンプ」や「もりおか復興支援センター」の開設に合わせ、具体的な支援方法を探るために来県した。阪神淡路大震災後16年間の経験を、東日本大震災からの復興に生かしてほしいと願う。(馬場恵)

  小森さんは神戸商科大に28年間勤務後、県立姫路短大学長、神戸山手大学長、02年に兵庫県がボランタリー活動の全県的支援拠点として開設したひょうごボランタリープラザの所長などを歴任した。

  自宅マンションが全壊するなど自らも被災した阪神淡路大震災の翌年、まちづくりコンサルタントやNPO関係者、研究者らと神戸復興塾を組織。復興過程の実態調査や行政が見落としていた県外被災者の支援、市民活動支援のための募金活動などを展開した。

  盛岡を拠点に被災地支援を展開するボランティア団体SAVE IWATE(寺井良夫代表理事)に、田中さんが支援を申し出たことがきっかけとなり、助言者として経験豊富な小森さんが招かれた。

  阪神淡路大震災は都市型災害。大阪、京都など近くの大都市圏からの支援が比較的容易だった。だが、東日本大震災は漁業、農業を主産業とし、もともと人口減少に悩む地域が広範囲に津波に襲われた。状況は全く違う。乗り越えなければならないハードルは極めて高いと小森さん自身も感じている。

  「われわれが学んだ教訓は、この未曽有の大災害の前に無力であるかもしれない。しかし、現場の知が何よりも求められている生活再建や復興まちづくりの領域では、制度や行政の仕組みにとらわれずに活動した神戸・阪神のNPOの自発的で柔軟な経験が必ず役立つ」と同塾のメンバーに奮起を促している。

  メンバーは既に、それぞれの専門分野で東北各県の被災地にアプローチ。石巻市などでは同塾の支援で、震災復興基本計画に市民や子どもの声を反映させるためのワークショップも開かれた。同塾のネットワークには、まちづくりや生活再建支援のノウハウが失敗経験も含めて蓄積されており、東北のために役立ちたいとの思いは強いという。

  一方、田中さんは、日本青年会議所での国際活動や阪神淡路大震災後の子どもたちの心のケアなどに取り組んだ後、01年にシーズ加古川を立ち上げた。中間支援組織は、NPOや市民団体が力を十分に発揮し、目的を達成できるよう人材育成、情報・資金の提供などを行う。成熟した団体が増え、それぞれの専門領域で活躍すれば社会の改善につながっていく。

  田中さんは「阪神淡路大震災以降、関西のボランティア活動や市民活動は活発になった。東日本大震災をきっかけに東北地方でも、そうした活動は活発になるはず。活動をサポートする中間支援の機能も整備していく必要がある」と力を込める。シーズ加古川も、中間支援組織として東北の被災地との関わりを模索していきたいという。

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