盛岡タイムス Web News 2011年 7月 14日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉363 岩橋淳 ベッドのしたになにがいる?

     
   
     
  彫刻の施された手すりのある階段は、そのお屋敷の2階へと続いています。部屋に入れば、大きな窓、そよぐカーテン。部屋の中央には、こども用の、それでも年季の入った木製のベッドが、ふたつ。こどもたちの手を引いて2階へと上がってくるおじいさんは口ひげをたくわえ、瀟洒(しょうしゃ)な仕立てのスーツ、ベストには金の鎖が光っている。

  日本ではちょっと難しいシチュエーションですが、今回は必要欠くべからざる道具立て。一家そろっての晩餐の後、博識なおじいさんを囲んで「いつもの」お話を聴くのが恒例になっていて…。

  「こんやのおはなしは、そんなに こわくなかっただろ?」というおじいさんの問いかけからすると、毎回こどもたちがせがむのは「コワイ話」であるらしい。そして、「あれくらい なんでもないよ」とすました顔をすればするほど、実は二人にとっては、かなりのレベルであるようです。

  そして「こわくない」はずの話の余韻は、ベッドに入った二人に、容赦なく迫ってくる。いてもたってもいられなくなって、辛抱たまらず階下へと(あくまでも平静を装いながら)駆け降りる二人。

  息せき切って降りてきた二人に、「そういえば、わしがこどものころ…」飄々(ひょうひょう)と語り始めたおじいさんですが、これが「第二の罠」であることなど、こどもたちに分かろうはずもなく! あくまで朴訥(ぼくとつ)、実はお茶目なおじいさんに翻弄される、長〜い夜の物語です。

  【今週の絵本】『ベッドのしたに なにがいる?』J・スティーブンソン/作・絵、つばきはらななこ/訳、童話館出版/刊、1470円(1983年)。

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