盛岡タイムス Web News 2011年 7月 16日 (土)

       

■ 〈東日本大震災〉希望と絆の住まいを 遠野市のコミケア型仮設住宅が完成

     
  photo  
     
  遠野市が東京大学や県立大学の協力を得て整備していた震災被災者のためのコミュニティーケア型仮設住宅「希望の郷(さと)絆」(40戸)が完成し15日、報道機関や地域の人に披露された。遠野産集成材外壁パネルを使用した木造仮設住宅。高齢者や妊婦の住まいを想定したケアゾーンは住居同士を木製デッキで結び、人々が交流しやすい環境にした。孤立化を防ぐことで生活再建を精神面からも支える。入居は16日から始まる。

 報道向けの説明会で、及川増徳副市長は「多くの人の思いが結集した仮設住宅。オール遠野で入居者を迎え入れ、地元に戻られるまで支援したい」とあいさつした。

  仮設住宅は同市穀町の市役所職員駐車場約5000平方bに開設。駅や商店街、病院は1`圏内にある。高齢者や妊婦など災害弱者のケア・サポート、地域産材の利用による産業の振興をコンセプトに、仮設市街地を形成しようという東大や県立大の提案を受け入れ、市が県の委託事業として整備した。

  40戸の内訳は一人暮らし世帯用の7・5坪タイプ12戸、2〜3人世帯用の9坪タイプが22戸、4〜5人世帯用の12坪タイプが6戸。それぞれ1〜3部屋にユニットバス、トイレ、ガス台、流しが設置されている。網戸やエアコンもあり、プレハブ型の仮設住宅に比べて居住性はかなり高い。ケアゾーンの中央部には集会所を兼ねたサポートセンターや菜園として利用できるスペースも設ける。

  使用した県産材の集成材パネルは耐火性に優れ、仮設住宅解体後も再利用が可能。施工は内装も含めすべて遠野市内の業者や団体の関係者が請け負った。事業費は約2億400万円。既存のプレハブ型仮設住宅とあまり差はなく、ほぼ全額が県費で賄われる見込み。 遠野市内に避難している沿岸被災者を優先して3回に分けて入居者を募ったところ48件の申し込みがあり、14日現在で釜石、大槌町など6市町39世帯79人の入居が決まった。

  被災者の孤独死を防止するためにも、新たなコミュニティーづくりが課題。構造上も、被災者ケアに配慮した仮設住宅での今後の取り組みが注目される。

  サポートセンターは9月上旬に完成する予定。運営を市社会福祉協議会に委託しスタッフを配置する。市の非常勤職員の住まいのコーディネーターに委嘱され、入居者の部屋割りなどを担当した東大大学院工学系研究科建築学専攻の冨安亮輔さんは「入居者のニーズに合わせ、使い方を工夫していきたい」と話す。

  近所に住む遠野町地域婦人団体協議会会長の海老糸子さん(71)は「会員が協力し入居者に配るのれんやエプロンなども心を込めて手作りした。お茶会なども企画し、仲良くしていきたい」と話していた。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします