盛岡タイムス Web News 2011年 7月 25日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉29 照井顕 菊池如水の鎮魂藍画

 「照井さんの歌を聴きながら絵を描きたい。その描いた絵は俺の形見に受け取って、ジョニーに飾ってけで」そして飾る場所の寸法を僕に測らせた、藍画家の菊池如水さん(89)。

  菊池さんと出会ったのは1993年。大船渡のNTTで菊池さんが個展を開き、当時NTTの支店長だった片方實氏に懇親会へ誘われたのがきっかけ。以来お互い意気投合。同年秋に行われた、盛岡へギャラリー彩園子での個展も見にいった。その時、絵と一緒に展示してあった詩書を読む様に即興で歌い、その後チョット付き合ってくれませんかと、行き先も告げず車に乗せて行った先は、エフエム岩手スタジオ。10月19日のことだった。

  どんな話をしたのかは、すっかり忘れて記憶にないのだが、大いに笑い合った気がする。その時の番組で流した曲目は、オール・ザット・ジャズのアシストを務めていた沼田智香子アナウンサーが記録してくれていた。「北上夜曲」「さだめ」「もみじ」「赤とんぼ」「浜辺の歌」。曲間に話をし、1、2曲目は志摩伸己というピアニストの演奏、特にも「さだめ」という彼のオリジナル曲は大好きで、時折聴いていた記憶が戻ってきた。

  菊池さんが安比や松尾で開いた個展には、陸前高田にいた僕を呼んで毎年オープニングコンサートを開いてくれたものでした。そんなこともあってか、今度のおはなし。津波で消失した高田松原を望む気仙川河口から、あの松林の心象風景を描いたのです。その間中、僕はギターをかき鳴らしながら、般若心経や自作の歌を唄い続けた。

  絵のテーマは鎮魂。唄う気持ちも鎮魂。5月から7月、陸前高田、大船渡、釜石、宮古、岩泉、田野畑。菊池さんにとってゆかりの深い被災地に、毎週のように二人三脚で出掛け描いた、そのシリーズの藍画は、今年10月、ギャラリー彩園子にて発表するという。いい絵です。

  僕も、その合間に個展のためのシャッターを押した。その小さな2Lサイズの写真を、7月いっぱい、紫波町高水寺の名曲喫茶「これくしょん」にて「浄土写心展」として展示しています。もしよろしかったら、のぞいて見てください。

  鎮魂の旅。浄土写心展。どちらもアイデアは「ありがとう」の女房の小春でした。
(開運橋のジョニー店主)


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