盛岡タイムス Web News 2011年 7月 30日 (土)

       

■ 〈不屈の意志〉丸モ盛岡中央青果・吉田雄一専務に聞く 復興応援、節電も協力

     
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 盛岡市の丸モ盛岡中央青果(浅沼優治社長)の吉田雄一専務に、東日本大震災津波後の青果市場の状況や、市中央卸売市場での節電の取り組みなどについて聞いた。同社は震災後は沿岸で仮設の市場設営に協力するなど、被災地の食生活を支えた。平泉の世界文化遺産登録を応援するバナナを企画し、流通の現場から復興に取り組んでいる。この夏の電力節減では省エネと鮮度保持のはざまで努力を重ねている。
(鎌田大介)

 |震災後の状況は。

  吉田 盛岡周辺、市場自体に地震の被害は見えない状況で、部分的に建物被害はあったが極端なことではなかった。一番困ったのは野菜が関東以北の茨城、群馬、埼玉、千葉から来ていた時期で、燃料の関係で車両の手配に大変、苦労した。それが4月いっぱい続いた。業務関係が動かず人の流れがなかった。4月いっぱい新幹線が動かなかったから、大変、苦労して各地の産地の会議はできない状態だった。産地の方から燃料や車両の手配をしてもらって助けられた。

  |沿岸の被災地の出荷は。

  吉田 直接取引している大船渡の市場が津波で流された。特別お世話になった関係がある。車とトラックは被災して無いし、店もないのでテント2張りでしばらくの間は商売してもらい、うちからも荷物を出し続けた。

  あとは被災地に自衛隊が来ていたが、県からの要請もあり、果物野菜を田野畑、宮古、釜石、大槌などに運んだ。自衛隊が使うものが多く、支障なく順調にいったと思う。

  |震災の影響で値動きした物は。

  吉田 野菜の値段はしばらく安かった。ある程度順調に入荷した面があるので地震のせいではないかもしれないが、消費の面では地震直後からしばらく商品は売れなかった。

  |平泉の世界遺産と復興応援バナナの狙いは。

  吉田 震災を受け、平泉の世界遺産登録に向けた盛り上げを皆で頑張ってやろうとしていたし、それを兼ねていくらか皆さんの力になりたいと思った。平泉は登録になったが、今年1年で終わると思わない。しばらくの間、いくらかでも被災地のため何かしなければならないという社長の意向があった。

  |この夏の電力不足に対応した節電の取り組みは。

  吉田 あまり極端なことは鮮度の関係でできないが、低温売り場、大きな冷蔵庫が二つあるのを温度を若干上げた。冷やして持ってきているものを、暑いところにそのまま置かないで、低温の売り場に持ってきて入れて出している。事務所の中も15%の節減を目標にしているが、28度では暑くて大変だ。

  |内陸部の経済も大変厳しい状態となっている。

  吉田 確かに厳しい。他の地震と関係ない県にも行っているが、そちらの方でも大変だ。宮崎に行ってきたし、静岡でも温泉ホテルは大変だと言っていた。こちらは被災地の人たちが入っているし、徐々に回復基調にはあるがまだ前に戻った感じではない。

  盛岡にツアーに来る人たちを見ていると、大型バスで2台3台と連なってきている人が見えてきているが、まだ本当ではない。徐々に回復しているようには見えても、まだ100%とは簡単にいかないのではないか。


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