盛岡タイムス Web News 2011年 7月 31日 (日)

       

■ 〈東日本大震災〉衛星通信が人命救った 県立大・柴田教授が講演

 滝沢村IPUイノベーションセンターフォーラム2011(滝沢村主催)が28日、滝沢村巣子の県立大学で開かれた。企業や行政の関係者ら約110人が参加。産学官の連携強化や企業間交流を目的に講演や事例発表などを行った。県立大学ソフトウェア情報学部の柴田義孝教授が「東日本大震災時に通信技術は働いたのか!」と題して基調講演した。災害の観点から見た既存ネットワークの特徴として柴田教授は「無線LANとか衛星通信が都会型ではなく、地域の中山間地域あるいは沿岸に非常に有効ではないかと思っている。衛星通信が今回非常にうまく働き、多くの人命を救った」と指摘した。

 震災当時の情報通信手段の状況としては、無線LAN、インターネット衛星通信が有効に働いたという。一方で携帯電話、防災行政無線は一部で使用できたものの、固定電話、いわて情報ハイウェイ、各自治体の庁内LANは使用できなかった。
  災害時の通信機能は発災から仮復旧までの期間をできるだけ短くすることが大切だという。柴田教授の研究室では、発災約1週間後から沿岸部の振興局や市役所のインターネット環境の仮復旧にあたった。「内陸にいると沿岸部の状況が全く分からない。便りのないのはいい知らせというのがあるが、便りがないのは悪い知らせだというふうにわれわれは今までの経験を通して分かっていたので、とにかく自分たちの今ある機材を積んで出掛けた」と話す。

  仮復旧に役立ったネットワークとしては▽多くの被災地のインターネット環境を迅速に復旧させた衛星IP通信▽エリアが回復することでインターネットが使用できるようになった携帯電話▽すぐに立ち上げられて機動的にエリアをカバーできる無線LAN▽複数の無線や携帯電話、衛星から一番電波状態がいいところをつなぐコグニティブ無線▽リアルタイムで情報が伝えられるツイッターやブログ|などを挙げた。

  機器を動かすためには電力が必要になることから、太陽光や風力発電、バッテリーを組み合わせた自立給電基地局による24時間態勢の無線AP、ネットワーク制御カメラへの給電などのシステムを紹介した。 

  フォーラムではIPUイノベーションセンターに入居しているエボテックの畠山剛雄さんが「組み込みAndroid考」と題して講演したほか、ミクニとオレンジソフトテクノロジーによる滝沢村産学共同研究事業費補助金を活用した事例発表が行われた。

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