盛岡タイムス Web News 2011年 8月 2日 (火)

       

■ 県産牛全頭出荷停止に 本県畜産大きな打撃

 農水省は1日、本県に対して全域の牛の出荷停止を知事に指示した。出荷停止は福島、宮城に次いで3県目。県産牛から相次いで国の規制値を超える放射性セシウムが検出されているため。県内産肉牛は既に出荷を自粛してきているが、国の指示によって県内の畜産農家がより厳しい状況に追い込まれるのは避けられない見通しとなった。農家や農業団体からは、強い危機感を訴える声が上がっている。国や県の取り組みに対しても不満が強まっている。

  国が岩手県産牛の出荷停止を打ち出したことに対して、県内の農業団体からは強い危機感を訴える声が聞かれた。JA県5連の田沼征彦会長は、遺憾の意を示しつつ、県と連携して早期の制限解除に取り組む意向を示した。県農業会議の佐々木正勝会長は1日、県に対して原発事故による畜産経営の損害等に関する緊急要請を行い、放射線の全頭検査で安全性を明らかにするよう改めて求めた。

  田沼会長は「国、県に対して規制値を超えた放射性物質が検出された稲わらが給与された牛肉を国が全量買い上げ、市場から隔離することや消費者の理解および牛肉流通事情の早期回復を図るため、全頭検査を実施することなどを要請してきた。今回の指示については誠に遺憾だが、JAグループとして県と連携しながら1日も早い制限解除に取り組み、消費者に安全安心な牛肉を提供していきたい。肉牛の放射線汚染の問題が発生してから、消費の減退や市況の大幅な下落などにより本県の畜産農家の経済的損失と精神的苦痛は計り知れず、極めて深刻な事態」との談話を発表し、国に対して福島原発事故の早期収束を求めた。

  県農業会議の佐々木会長は「国は全頭出荷停止というが、県が全頭検査する必要を言っているのだから、そこを生産者、消費者に理解してもらいたい。全国に流通しているのなら全国統一の基準でやるべき」と述べ、県農林水産部の東大野潤一部長に対して早期の全頭検査の実施を求めた。「県の全頭検査の仕組みで、これで安全だともう少し分かりやすく説明してもらいたい。稲わらだけが原因なら消去方式でやってほしい」などと述べ
た。

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