盛岡タイムス Web News 2011年 8月 7日 (日)

       

■ 〈詩人のポスト〉齋藤駿一郎(北上市) ナンマイダの春

齊藤駿一郎(北上市)
  ナンマイダの春
 
遠く風が吹き
土埃が舞う村がある
風のふくまに
とぎれとぎれに
聞こえてくる子供たちの声
 
ナモアミダンブツ ナモアミダ
ナモアミダンブツ ナモアミダ
 
幾年も
幾年も戦争が続き
幾年も幾年も
戦いにとられていった
村の人々
 
そして
若者の夢 希望を封じ込め
土埃の舞う村に還って来た
骨箱の軽さ
 

多くの四季を重ねて…春
花々が咲いて
幾千万の
記憶がどこかに
置き忘れてしまったか
 
時空を超え
世界のどこかで
争いがある
戦いがある
 
耳を澄ませば
遠く風にのって
子供たちの声…今も
 
昔のまま
子供たちは大数珠を多数で担ぎ
今日も家々を廻る
耳朶をゆする念仏の青さ
 
ナモアミダンブツ ナモアミダ
ナモアミダンブツ ナモアミダ

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