盛岡タイムス Web News 2011年 8月 12日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉60 草野悟 名付けて「ゴーヤシンプル」

     
   
     
  岩手県には見事な腕前の「食の匠」さんが大勢います。おかげさまで各地の匠さんの料理を食べさせていただきました。思い出しても涎(よだれ)がポトリとパソコンの上に落ちてきてしまいます。

  そうなのです。わたくしは「食欲の匠」なんですね。フリーアナウンサーの菅原直子さんも「食欲の匠」です。でも菅原さんは「大食いの匠」、わたくしは「味わいの匠」、その違いはありますね。(わっはっは…)

  で、これはと言いますと、「ゴーヤ」です。

  仮設住宅では、あちこちで家庭菜園花盛りです。上手な人、伸びるに任せる人、世話を焼く人、いろいろな人たちが野菜などを育てています。それに感化され、わたくしも「よし、省エネだ、ゴーヤを植えて、ゴーヤを食べるぞ」と意気込み、近くのお店でゴーヤの苗を買い、ベランダに植えた次第であります。

  どうやったら実がなるか、楽しみと悩みと交差しておりましたが、私には農家の友人がいます。矢巾の高舘農園の高舘さんです。「あのね、どうやって実になるようにするの」と聞きましたら、「ちょっと待って、本を見てみるから」とお返事。おじいちゃん、おばあちゃんがいないと…。

  そんなことで、自然と1個、偶然に実がなったのです。小躍りしました。一人でルンバを踊りました。それで得意の料理となった次第なのです。軽く塩もみし苦味をちょっと取ります。ゴーヤには豚肉、できるだけ高級で安い豚肉を買ってきました。

  「シンプルこそ料理の神髄」がモットーなもので、塩と胡椒(こしょう)だけで炒めました。名づけて「ゴーヤシンプル」。炒めている最中もビールをグビ、ゴーヤをポリ、何度も味見をするもので、出来上がったころには半分になってしまいました。

  実に見事な料理です。ミシュラン3つ星シェフもこれを食べたら弟子入りしてくるはずです。おもむろに2本目の缶ビールをプシュっと開け、まぶたを閉じ大事なゴーヤ様をかみ締めます。絶妙の塩加減、黒胡椒の夏向きの刺激、どうにも止まらない猛暑の夜でした。今度は仮設住宅団地へ行って料理教室でも開こうかな。本気です。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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